そのため、ドイツの放送局シュポルト1はミックのアルファロメオ移籍の噂をハースのチーム内における不和から説明している。「ハースの雰囲気は険悪だ」と述べるシュポルト1は、ミックとマゼピンの間に生じたある騒動を取り上げている。
発端はマゼピンが自身が使用するシャシーがミックのものより古く、修理を重ねているため重くなっていることを明かしたことだ。これは事実のようで、先週のオーストリアGPに先立つ会見でハースのギュンター・シュタイナー代表も認めている。
しかし、事態はそれだけにとどまらない。シュポルト1の報道によれば、マゼピンの父であるドミトリー氏が、ドライバーふたりのシャシーを交換させるためにチームに金を払うことを申し出たというのだ。ドミトリー氏はハースのタイトルスポンサーである化学企業ウラルカリ社の共同オーナーであり、チームに対して強い発言権をもつ。シュタイナー代表は彼の申し出を拒否したが、この件はハースのチーム内での関係を表しているともいえる。
シュポルト1はミックがこうしたチーム内の『権力闘争』を感じ取った結果、アルファロメオへの移籍を望んでいるのではないかと推測する。もちろんこれはあくまで推測の域を出ていないが、より良い成績を求めての移籍、というよりは説明がつくのは確かだ。
いまのところミック自身は自らの考えを明かしていない。オーストリアGPでスカイ・スポーツの取材を受けた際にも短く「僕は今ここでのレースに集中している。来年どうなるかは数週間後にわかるだろう」と答えるにとどまった。彼が来季どのチームで走るか判明するのは8月の夏休み明けになるだろう。
