判断を誤ったと認める一方で、エリオットはフォーメイションラップの最後にハミルトンをピットに入れたとしても、圧倒的有利には働かなかったと考えている。結局ハミルトンは、他のマシンがピットレーンを通り過ぎるまで自身のピットボックスから出ることができなかったと予想しているからだ。
「ふたつ目の問題は、我々のピットボックスはピットレーンに入って最初の位置にあることだ」とエリオットは説明した。
「つまり、我々がピットレーンを通ってピットボックスに入った後、他のすべてのマシンが通り過ぎていくことになり、そうなると、ルイスがボックスから出るのはきわめて難しい。そのため、結局は遅れてしまっただろう」
「それに関連するふたつ目の問題として、あるいは同じ問題といっていいかもしれないが、別の見方をすると、無理やりピットレーンに出て行こうとすれば、他のマシンと接触した可能性もあった。多数のマシンが同時にピットストップしたあの時、実際に接触が起きていた」
「我々は、自分たちにとってベストの戦略は何なのかを考えていた。そして安全にいきたいと考えていたのだ。メインのライバルは後方にいた。我々は、愚かなミスをしたり、他のマシンに衝突したりといったことを避ける必要があったのだ」
「だが、結果的には、隊列の後ろになったとしても、あの時はピットインした方がよかっただろう」

エリオットは、他のマシンとともにハミルトンがピットインしていたら、どの位置でコースに戻っていたと思うかと聞かれ、「推測するのはとても難しい。ボックスからピットレーンに戻るのに、入り込む隙間をいつ見つけられるかにかかっているからね」と答えた。
「5番手か6番手だったのではないかと思う。ただ、繰り返しになるが、ピットレーンで他車と接触するリスクも大きかった。だから、我々としては慎重にいくしかなかったと思う」