小松礼雄F1コラム:2016年を象徴する最終戦。予選と決勝で見える、F1ドライバーの実力
今年、ハースF1チームに移籍し、チーフエンジニアとしてチームのレース部門を統括する小松礼雄氏。チームのデビューイヤーとなった2016年もついに最終戦。アブダビGPで改めて感じたチームに不足しているもの。そして2017年の目標。F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラム第17回をお届けします。
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今シーズンを象徴するレースとハースの2017年。
予選と決勝で見える、F1ドライバーの実力
今シーズン最終戦のアブダビGP、11位、12位と目標のダブル入賞にあと一歩届かなかったのがとても残念ですが、良いレースをすることができ、ある程度満足しています。特にロマンは第2、第3スティントではとても良いペースで走ることができました。この様にコンディションにハマれば速いけど、常にその速さを引き出すことがまだできないという、良い意味でも悪い意味でも自分たちの今シーズンを象徴するレースでした。
予選は、前々回のメキシコGPではどうにもできなくて最下位、ブラジルではこれ以上はないという7位だったので、アブダビではなるべくQ3に近い位置に行きたいとは思っていました。結果はメキシコとブラジルの中間くらいの13位、14位でした。
クルマをそこまで上手く機能させることができなかったので、ドライバーが完璧なラップを走っても12位が限界でした。その同じクルマでレース中盤にトップ3の次のグループなかでは非常に競争力のある走りをすることができました。
今年のシーズンを振り返ってもわかるように、2017年シーズンの目標はクルマのポテンシャルを常に安定して引き出す実力をつけることです。アブダビの第2スティント、第3スティントがなんであんなに良いかということがエンジニアリングチームとしてちゃんと把握できていれば、アブダビでも予選からトップ10に行けているはずです。