更新日: 2021.09.02 19:33
【F1第12戦無線レビュー】「セーフティカーに近づくだけで何も見えない」先頭のフェルスタッペンも視界不良を主張
午後3時25分、セーフティカー先導のフォーメーションラップが25分遅れで始まった。しかしレースができる状況でないことは、誰の目にも明らかだった。
ハミルトン:前が全然見えないよ
ウエット路面では絶対的に有利なはずのポールシッターのフェルスタッペンでさえ、視界が確保できない。
フェルスタッペン:セーフティカーに近づくだけで、何も見えなくなる
前日の予選でクラッシュを喫したとはいえ、Q1、Q2で圧巻のトップタイムを叩き出したランド・ノリス(マクラーレン)にとっても、この状況は限度を超えていた。
ノリス:前を走ってるはずの車が、全然見えない。おまけに完全にアクアプレーニング(状態)だし
前を走るF1マシンがフェルスタッペン1台だけのはずのジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)も、「最悪だ」と訴える。
ラッセル:オールージュから先が、ターン5まで全然見えないんだ。すぐ前のはずのフェルスタッペンのテールランプさえ見えないよ
リカルド:最悪なのはストレートで何も見えないことだ
リカルドのいう通り、もしストレートを全開走行中にスローダウンしている先行車が目の前に現れたら、その時はすでに手遅れだ。それでもポールシッターのフェルスタッペンは、「今ならレースできる」と叫んだ。しかしその主張が現実的でないのは明らかで、約15分後には赤旗中断となった。
気温12度、冷たい雨の降りしきるなか、少なからぬ観客がサーキットから去って行った。それでも大部分の人々は延々3時間近く待ち、現地時間午後6時17分にレースが再びSC先導で始まった。しかし依然として、まともに走れる状況ではない。
ラッセル:時速180kmを超えると、水しぶきで何も見えなくなる
フェルスタッペン:コンディションは確実に3時半より悪くなってるね
3時間前にレースを敢行すべきだったという主張だった。そしてリカルドは、口調自体は冷静なものながら、「もうたくさんだ」と繰り返した。
リカルド:とても無理だよ。走行ラインが全然残らない。いったん見えても、すぐに消えてしまう。それぐらいの雨なんだ。確実にアクアプレーニングレベルだよ
リカルドのコメントがとどめになったかのように、SC先導のレースは3周目に赤旗となり、今年のベルギーGPは終了した。