正式発表の前から、ラッセルがメルセデスに移籍することは確実であるとみられており、オランダGPの週末、カピートは来季ドライバーについて、こう語っていた。
「ドライバーを選ぶ上で、時間的なプレッシャーはない。ドライバーを早く決めなければならない状況にあるチームもあるだろうが、我々はそれほどではない。いくつか選択肢があり、それについて検討しているところだ」
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、リザーブドライバーであるアレクサンダー・アルボンを来年F1に復帰させる道を探るなかで、候補はウイリアムズとアルファロメオであると発言している。一方、メルセデス代表トト・ウォルフは、メルセデスのフォーミュラEドライバーであるニック・デ・フリースのためにシートを探している。

「候補はアレックスだけではない。チームに何らかの形で貢献してくれるだろう魅力的なドライバーは何人かいる」とカピートは言う。
「来年のことを考える上で、いくつか異なる見方ができる。正しいか間違っているかという問題ではない。F1での経験を持つドライバーを雇うことは、間違いなくポジティブなことだ。決してネガティブな要素はない」
「一方で、来年、(大幅な規則変更により)マシンが一新され、誰もが新世代マシンについて学習する必要がある。それを考えれば、ルーキーを起用することもできるだろう。他のドライバーとのギャップは通常より小さくなるからね。全く違うカテゴリーで走るようなものなのだ。つまり、最小限のリスクでF1に新人を昇格させる機会でもある」
「どこから関心が寄せられるのか、どういう結果になるのかを見ていこう。我々にはさまざまな良い選択肢があるのだ」
アルボンとデ・フリースのどちらが望ましいかと聞かれたカピートは、「他にも候補はいる。F1経験者もいるし、F1昇格を目指して頑張っている若手もいる。候補はふたりだけではない。選択肢はもっと幅広いのだ」と答えた。

発表はなされていないものの、ウイリアムズの現ドライバーであるニコラス・ラティフィが残留することはほぼ決まっている。そのため、残りひとつのシートを多数のドライバーたちが争うことになりそうだ。
現在ウイリアムズと交渉を行っているF1経験を持つドライバーは、アルボンの他に、現アルファロメオドライバーのアントニオ・ジョビナッツィ、豊富な経験を持つがレースシートを失っているニコ・ヒュルケンベルグ、ダニール・クビアトだ。一方、新人としては、デ・フリース以外に、今年FIA-F2で走る周冠宇とオスカー・ピアストリがウイリアムズと話し合いをしている。
ウイリアムズにとって第一候補なのはアルボンだが、候補者が多数いるため、結論を出すのを遅らせ、時間をかけて検討する可能性がある。
