取材・まとめ 柴田久仁夫

 ハミルトンの猛攻を必死にしのぐノリス。しかしそのために、どんどんタイヤが厳しくなっていた。

ノリス:これをやるのに、タイヤを使っちゃってるんだよね
ジョゼフ:ハミルトンは長いスティントで行くはずだ。僕らはあくまで、プランAで行こう。ただし目標ラップはプランBだ

ランド・ノリス(マクラーレン)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第14戦イタリアGP ランド・ノリス(マクラーレン)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 この場合のプランAは、第1スティントをできるだけ伸ばすということか。リカルドも同じ作戦で行くようだった。

リカルド:プランAで行こう。その方がいい
スタラード:了解した

 序盤17周目前後、首位リカルドとフェルスタッペンの差は、ずっと1秒前後だ。抜けないことに苛立つフェルスタッペンを、ランビアーゼが励ます。しかしフェルスタッペンは、珍しく弱気だ。

フェルスタッペン:リヤが滑り始めている
ランビアーゼ:リカルドもそう言ってるぞ

ランビアーゼ:モード7で行こう
フェルスタッペン:いや、もっと低いモードで行こう。オーバーテイクボタンを押しても効かなかったし

 一方ボッタスは22周目にはランス・ストロール(アストンマーティン)を抜いて、8番手まで順位を上げた。そして24周目、リカルドがピットに向かった。すぐ前でコース復帰するだろうことを、ボッタスは伝えられた。

リカルド・ムスコーニ(→ボッタス):リカルドがピットインした。フェルスタッペンはステイアウトだ。ピット出口でかなり接近するはずだ

バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2021年F1第14戦イタリアGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 これでつかの間の首位に立ったフェルスタッペンに、ランビアーゼが檄を飛ばす。

ランビアーゼ:よし、やっつけよう。プレッシャーをかけていけ。マクラーレンはすごいピットインだったからな
フェルスタッペン:わかった。でもタイヤがXXX

 23周目にはフェルスタッペンもピットイン。しかし右前輪の交換に手間取り、11秒1もかかってしまう。「なんてことだ!」とうめくフェルスタッペン。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第14戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 そしてコース復帰直後、ターン1でハミルトンと競り合った末に接触。2台は絡み合ったままコースオフし、リタイアを喫した。

フェルスタッペン:スペースを空けてくれなかった

ハミルトン:あいつが押し出した

 ハミルトンはコクピットから降りようとしない。

ボノ:ルイス、スイッチオフだ

ルイス・ハミルトン(メルセデス)&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第14戦イタリアGP ターン1で接触し、ルイス・ハミルトン(メルセデス)のマシンに乗り上げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。これで両者リタイアとなった


────────────────────
(2)に続く

本日のレースクイーン

原あゆみはらあゆみ
2025年 / スーパーフォーミュラ
リアライズガールズ
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円