──FP1の序盤、フェルスタッペンやピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)のスロットルオフの際の排気音が違うように聞こえたのですが、何かこれまでと違うことをしているのでしょうか?
田辺TD:いえ、特に何もしていません。どんな音でした?
──乾いた感じの、パラパラという音に聞こえました。
田辺TD:そうですか。特に今回、何か持ち込んだなど、そういうことはありません。
──新しいエナジーストア(ES)ですが、現時点では角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)だけが搭載していません。第2戦のイモラ(エミリア・ロマーニャGP)で3基目に交換して以来なのですが、今後どこかで新型エナジーストアを角田に投入する予定はありますか?
田辺TD:そこは状況を見ながら、考えていきます。
──新型のエナジーストアはかなり軽量化しているとのことですが、そうするとガスリーと比べて車体の重量も変わってくるのでしょうか?
田辺TD:そこはFIAのなかでも話したのですが、実は我々のエナジーストアが今まで重量オーバーしていました。それを制限ギリギリまで持って来れました。それと車体重量の話は別ですね。
──ES重量は20〜25kgでしたか。それより重かったということですか。
田辺TD:はい。ちょっと重かったです。2015年の参戦当時からESは基本的に同じで、信頼性とかは向上してますが、コア技術は同じでした。それを今回、特にバッテリーセルですね、それを大幅に刷新したということです。まったく別物にしました。あと、パッケージのサイズですが、今の車体にはまる形で大きく変えずに左右で使えるようにしています。
──2台で仕様が分かれても、レース週末の運営に支障はきたさないのですか?
田辺TD:ないですね。大きくセッティングを変える必要はありません。定量的に性能が向上しているのと、重量が軽くなっているということです。信頼性など劣化具合は今後見ていくことになりますが、テスト上、品質管理上では格段に向上していることが認められています。
──F1の技術を市販車へフィードバックすることは、なかなか難しいと思いますが、今回のバッテリー技術に関してはいかがですか?
田辺TD:ホンダの将来技術として、まずは過酷なF1の環境で使ってみようと。ただ、F1と市販車ではバッテリーの使い方も絶対量もまったく違いますので、求められる部分も違います。とはいえ、ホンダの将来技術として今回のバッテリー技術は今後も生きていくと思っています。


