更新日: 2021.09.30 16:49
アルファロメオF1が今季最高位8位「ライコネンの好判断で難コンディションを味方につけることができた」
レース残り数周の時点で雨が降り始めた時、ライコネンはジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)やボッタスと同じ47周目の終わりにピットに入り、アウトラップでラッセルを抜いた。多数のドライバーたちはそれより後にピットインし、さらに雨でコースオフしたドライバーもいたことで、ライコネンは大きく順位を上げた。ボッタスには先行されたライコネンだが、53周のレースの52周目には7番手に浮上。最終ラップでは、タイヤ交換のタイミングが大幅に遅れて首位を失い激しく追い上げるランド・ノリス(マクラーレン)に抜かれ、ライコネンはあとコーナー5つというところで8位に落ちた。
しかし8位でもアルファロメオにとっては重要な結果だった。ライコネンが他のほとんどのドライバーよりも早くピットに入る決断をしたことが功を奏したと、プホラルは指摘した。

「レース終了近くになって雨が降り、すべてのことがあっという間に変わった」とプホラルは言う。ドライバーが下す判断に基づいて準備をする必要があると分かっていた。実際にコース上を走っているのはドライバーたちであり、ピットウォールにいる我々がコンディションを把握するのは非常に難しかったからだ」
「そのため、我々はドライバーたちに『状況がひどすぎるようなら教えてくれ、ピットストップが必要になる』と伝えるわけだが、この時のキミの判断が素晴らしかった。おかげで順位を上げることができたのだ」
チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィは不運にも5周目から無線が機能しておらず、自分ひとりで行動するほかなかった。チームには彼をピットに呼び戻すすべはなく、彼がピットインしてきたのは50周目になってからだった。
雨が近づいてくる場合と、逆に路面が乾きつつある場合には、決断を下すプロセスが異なると、プホラルは言う。

「コースが濡れつつある状態では、通常よりもドライバーの判断に頼る必要がある」とプホラル。
「予報も重要だが、もしドライバーが『マシンをコース上にとどめておくことができない』と言ってきたら、対応する必要がある」
「簡単な決断ではなかった。レース終了まであと数周だったし、コースの片側でだけ雨が降っていた。4秒か5秒を失いながら、そのまま(スリックタイヤで)走り続けることができるかもしれないし、インターミディエイトに換えた場合にコースの乾いている側でタイヤを傷めてしまうかもしれない」
「路面が乾き始めてきた場合に、いつスリックに換えるのかを判断するのは、主にチームの仕事だ。チームは他の19台がタイヤをどうするのかを見ていくことができ、正しい決断をするために必要な情報をすべて持っているからだ。ドライバーが持っているのは、彼ら自身の感覚と、すぐ前やすぐ後ろにいるマシンについての視覚的な情報だ」
「要約すると、路面が乾き始めたときにはチームが判断し、濡れ始めてきたときには主にドライバーが判断する。特にキミのような経験豊富なドライバーがいる場合は、彼の判断に頼ることになる」