──前戦ブラジルはハミルトンの新品エンジンのパワフルさが大きな話題になりました。ブラジルでの結果を受け、レッドブル側と対策を話し合うような特別ミーティングを行ったのでしょうか?
田辺TD:いえ、特にしていません。
──通常のミーティングを行ったということですか?
田辺TD:そうです。
──メルセデスはシーズン終盤になり、どんどんとエンジン交換をしています。新品の威力ということが言われていますが、ホンダもメルセデス同様に新品をどんどんと投入して戦おうとは思っていないのでしょうか? 規約的に、それは違うという思いはありますか?
田辺TD:規約的には、まったく問題はありません。ただ、パワーユニットのコストなど、F1全体にかかるお金の話をしているわけです。そういった状況を踏まえると、F1のプリンシパル(基本理念)といいますか、F1スピリット、あるいはポリシーですか、そういったことを考えると、はたしていいことなのかどうか。ただ一方では、我々は勝つために戦っています。規約が許せば、悪いことをしているわけではない。そういうことですね。
──メルセデスの新品エンジンはマイレージの進んだものに比べて、15kwほど(約20馬力)はパワーが違うという話もあります。ホンダはそこまで劣化が激しくなく、言い換えれば新品を入れるメリットもないということでしょうか。
田辺TD:はい。
──たとえ新品エンジンの相対的なパワーが最高ではなくても、残り3戦しかないのなら思い切ってエンジンを回せるという割り切りもできるのではないですか?
田辺TD:供給しているパワーユニットは同じキャリブレーションで走らせないといけません。そのときに残り3戦だからといって、1基だけ投入した新品エンジンだけを頑張って走らせることは今の規約では許されません。そして我々のパワーユニットは、新品と、マイレージが数1000km伸びたものでは、そこまで顕著な劣化はないです。それを思えば、あえて新品を入れるのは得策ではないですね。


