更新日: 2021.11.29 12:31
【F1第20戦無線レビュー(1)】「楽しもう。少しギャップを縮めてみようよ」2番手維持のフェルスタッペンがチームに提案
なかなか順位を上げられないボッタスに、チーム代表自ら檄を飛ばす。
トト・ウォルフ代表:バルテリ、行け。前のクルマを抜くんだ!
12周目には、ハミルトンとフェルスタッペンの差は6秒2まで広がっていた。互いのエンジニアが、ライバルとの比較や、相手の状況を逐一伝えていた。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ハミルトンにはターン2、4、5で負けている
ボニントン(→ハミルトン):フェルスタッペンはリヤに苦しんでる。ただしオーバーテイクは、予想以上に楽だ
ハミルトンは最速タイムを更新しながらフェルスタッペンを引き離し、この時点で両者の差は7秒4まで広がった。タイヤが限界に近づいたフェルスタッペンは、17周目にピットに向かった。
フェルスタッペン:もう左フロントが曲がってくれない
ランビアーゼ:ボックスだ
ライバルのピットインを知らされたハミルトンは、ボニントンに「もっと走れる」とアピールした。
ハミルトン:タイヤは全然大丈夫だ。早めに入れないでくれ
しかしフェルスタッペンの次の周に、ピットインの指示が出た。
ハミルトン:早すぎるだろ
ボニントン:いや、ペースがいいから
この時点でボッタスは、5番手まで上がっていた。1-2フィニッシュは十分可能だぞと、リカルド・ムスコーニがボッタスを鼓舞する。
ムスコーニ:フェルスタッペンは2ストップだと思う、だからまだチャンスはあるぞ
29周目、ハミルトンとの差はほぼ8秒まで広がり、自力優勝の可能性はないと悟ったフェルスタッペンは、「タイヤを持たせる走りはやめようよ」と、ランビアーゼに提案した。
フェルスタッペン:楽しむことにしよう。もうちょっとギャップを縮めてみようよ
ランビアーゼ:左フロントだけは、注意してくれよ
フェルスタッペン:はいはい。いい夜を過ごしてくれ
ハミルトンの強さを目の当たりにして、フェルスタッペンは7番手から2番手まで上がれただけでもう十分という気分だったようだ。
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(2)に続く