36周目の1コーナー。スリップについたハミルトンが抜きに行った。フェルスタッペンは譲らず、2コーナーをショートカットして首位をキープした。
ハミルトン:あいつはクレイジーだ
チームからフェルスタッペンに指示が飛ぶ。
ランビアーゼ:ハミルトンに順位を譲るんだ。ただし、戦略的に譲れよ
ふたつ目のDRSで譲って、直後の3つ目のDRSで抜き返せということなのだろう。フェルスタッペンはその通り、最終コーナーの手前で減速した。しかしハミルトンは、順位を譲れという指示がFIAから出ていたのを聞かされていなかった。フェルスタッペンの急制動に驚いたハミルトンは、接触してフロントウイング翼端板にダメージを負ってしまう。

ハミルトン:ブレーキテストしやがった。ウイングが壊れた
ボニントン:大丈夫だ。大丈夫に見える。彼は順位を譲れと、指示されていた
ハミルトン:でも僕はそれを知らなかった。とにかくブレーキテストしたんだ
フェルスタッペン:タイヤをチェックしてくれ
ランビアーゼ:タイヤは大丈夫だ。
ハミルトン:とんでもなく危険な運転だよ
フェルスタッペンは最終的に、1コーナーと最終コーナーの運転についていずれも非があるとされ、計15秒のタイムペナルティを科された。最後はミディアムタイヤも限界に達し、ハミルトンが3連勝を飾った。
そして激しい3位争いを繰り広げていたバルテリ・ボッタス(メルセデス)は、最終周、最終コーナー立ち上がりでオコンを抜き、3位に滑り込んだ。
ボニントン:僕の記憶では、今までで一番クレイジーなレースだった。冷静な奴が、最後に勝つってことだ。おまけにバルテリも3位に入った
ハミルトン:最高だ! みんな、素晴らしい仕事だった。このまま最後まで行くぞ!
ボニントン:さらにいうと、ファステストももらった。本当によくやった
ボッタス:わお〜
リカルド・ムスコーニ:なんてレースだ!
オコン:ウソだろ!! くそっ!!
ジョシュ・ペケット:きみは最初から最後までずっと速かった。誇りに思っていい

ランビアーゼ:厳しいレースだった。全部の裁定に納得が行くわけじゃない。でもきみは本当に、よくやったよ
フェルスタッペン:こういうことさ。できることはやった
ランビアーゼ:その通りだ。心配するな、選手権ではまだトップだ
クリスチャン・ホーナー代表:なぜ彼が真後ろにいたのか、まったく理解できないね
ランビアーゼ:みんなはきみを支持している。ドライバー・オブ・ザ・デーに選ばれたぞ。FIA以外の人たちは、きみを応援してるってことだ
フェルスタッペン:ファンは今日の僕の走りをしっかり見てくれていたってことだね。今日のレースは、むしろペナルティ競争だった。これじゃF1とは言えない。でもファンは楽しんでくれた。全力を尽くしたけど、速さが足りなかった。でも2位には満足しているよ