35周目にアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がハイドロ系トラブルでターン9出口にストップしVSC。これで首位ハミルトンはステイアウトし、2番手フェルスタッペンと3番手ペレスがピットインして新品ハードタイヤに交換し、2ストップ作戦でここから追い上げていく戦略に切り替える。後方ではアロンソとガスリーもここでピットインを済ませて8番手・9番手でコースに戻る。アロンソはターン12で角田のインを突くが止まりきれずコースオフし、角田は次のターン9で抜き返し7番手に戻る。

37周目のセクター3でVSCが解除され、17秒後方に下がったフェルスタッペンはファステスト連発でギャップを縮めていく。ハミルトンは1周0.7秒差のタイムで走るが、このペースでは最後まで走れないと訴える。しかし両者ともにベストセクターを刻みながら息詰まるタイムバトルを演じ、ギャップはごく僅かずつしか縮まっていかない。44周目あたりからハミルトンはアロンソを先頭とする9番手争いの4台の集団に追い着きタイムロスを喫するが、フェルスタッペンのタイムも低下してギャップは13秒台から大きくは縮まらない。
ガスリーは42周目のターン6でアロンソのインに飛び込んで8番手へ浮上。ノリスは49周目に左フロントのスローパンクチャーでピットインを強いられ9番手に後退。これで角田は6番手に浮上した。
残り10周を迎える頃になるとフェルスタッペンのペースはハミルトンと同等になり、打つ手がなくなりハミルトンもペースをコントロールし始める。残り8周でフェルスタッペンは9番手争いの集団に引っかかる。
しかし53周目のターン14でニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュしてコース上に留まり、セーフティカー導入となる。ここで首位ハミルトンはピットインできないが、レッドブル勢はピットに飛び込んでソフトタイヤに履き替える。角田、ガスリーもここでピットインしてポジションをキープしたまま6番手角田、7番手ガスリーでソフトを履く。

セーフティカー先導中の55周目、ペレスはピットに戻る指示を受けリタイアすることとなる。これで角田は5番手に上がる。58周目、周回遅れのマシンを整理せずに残り1周でリスタートすることとなった。
57周目に周回遅れのノリス、アロンソ、オコン、ルクレール、ベッテルを整理して、残り1周でレースは再開。
フェルスタッペンはターン5でインを突いて前に出る。1本目のバックストレートで大きくウィービングを繰り返しながらハミルトンをトウから外し、2本目のバックストレートでもターン9でアウト側に並びかけるハミルトンを抑えきって首位のままチェッカードフラッグ。これでマックス・フェルスタッペンが2021年のドライバーズチャンピオンとなった。
ハミルトンは2位でフィニッシュし「操作されたレースだ」と不満を訴える。後方でも1周切りの激しいバトルが繰り広げられ、3位にサインツ、4位に角田、5位ガスリー、6位ボッタス、7位ノリス、8位アロンソ、9位オコン、10位ルクレールという結果になった。


