マゼピンの後任としてフィッティパルディがテストでマシンを走らせる見込みであると述べたジーン・ハースは、今年ミック・シューマッハーのチームメイトとしてレースドライバーを務めるドライバーについては検討中であり、経験あるドライバーを選びたい考えがあると明かした。
「数人の候補者を検討している最中だ」とハースはAP通信に語った。
「誰を起用することが可能か、何に対処すべきなのかを見ていくことになるが、水曜までにはドライバーを決定することになるだろう」
「ピエトロは間違いなく(テストに)参加するだろう。彼はテストドライバーなのだし、そのためにいるのだ」
「(長期的には)言うまでもなく、もっと実際の経験を積んだドライバーを起用したいと考えている」
「今は、何が可能なのかを見ていく必要がある」
先週の時点で、チーム代表ギュンター・シュタイナーは、マゼピンが走れなくなった場合、後任の第一候補となるのは、現リザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディであると認めていた。
2度のF1チャンピオンであるエマーソン・フィッティパルディの孫であるピエトロは、2019年にハースのテストドライバーに就任、それ以来両者の関係は続いている。2020年バーレーンGPで当時レースドライバーのロマン・グロージャンが大クラッシュによりけがをした際に、その後の第16戦と第17戦に代役でF1に出場した。

しかしジーン・ハースが、レースドライバーとしては“実際の経験をより多く積んだドライバー”を求めていると発言しているように、シーズン通して走るドライバーとしては、ニコ・ヒュルケンベルグとアントニオ・ジョビナッツィが候補に浮上しているようだ。
ヒュルケンベルグは、2019年末でルノーのシートを失った後、2020年にはレーシングポイント(現アストンマーティン)で3戦レギュラードライバーの代役を務め、現在はアストンマーティンのリザーブドライバーとなっている。
ヒュルケンベルグにはチームに多額のスポンサーを持ち込むことはできないが、才能と経験を備えた彼が加入すれば、ニューマシン開発において非常に役立ち、若きシューマッハーにとってもプラスになるだろう。
フェラーリのなかには、2021年末でアルファロメオのシートを失ったジョビナッツィに再びF1参戦のチャンスを与えたいと考える者がいる一方で、スクーデリア・フェラーリで将来彼を起用する可能性は低いため、彼のF1活動に投資し続けることに疑問を持つ者もいる。

シュタイナー代表は、ドライバー選択についてジーン・ハースから全権を委任されており、フィッティパルディと彼のスポンサー、ジョビナッツィとフェラーリ関係者、そしてヒュルケンベルグ、さらにその他の候補者との交渉を経て、最終的な決断を下すことになる。