実際走ってみてどうだったか、ドライバーたちからの意見はさまざまだった。広報担当者が発表する、入念に管理された公式コメントからでさえ、ドライバーによって新しいマシンに対するフィーリングがまったく異なることは明らかだった。ただ、マシンの重量が大幅に増えたことを懸念しているのは間違いない。
「運転するのはものすごく楽しい。ただ、いままでとは少し違うね」とマックス・フェルスタッペンは言う。
「バランスはいいよ。ただ、重量が増やされていったことで、低速コーナーの俊敏性が少し落ちてしまったのが残念だ」

フェルナンド・アロンソは「去年より何秒か遅くなった。それはドライバーからすれば、決して楽しいことではない」と語った。
「ドライバーは常に速さを追求しているし、軽いマシンの方がうれしいんだ」
シャルル・ルクレールは、マシンが重くなると、低速コーナーのエイペックスでの動きが悪くなり、減速の仕方が難しいと指摘した。
「このマシンは完全に新しいものだから、ドライビングスタイルを変えなければならない。ドライバーにとっては、いろいろなことを試すのは興味深い」とルクレール。
「ブレーキングは今までとは全く違う。車を減速させるのに必要な距離自体はそれほど変わらないけれど、ブレーキングの仕方は全然違ってくる。今、完璧なブレーキング方法を探っているところだ」
■狙いどおりホイール・トゥ・ホイールのバトルが増えるか
2022年の新レギュレーションの最大の目的のひとつは、前を走るマシンへの追走のしやすさを改善し、ダーティエアの影響を軽減することだ。この目的が達成できたのかどうかは、まだ定かではない。しかし、多くのドライバーが高速コーナーでの追走が以前より容易になったと語っており、初期の兆候は良さそうだ。
ルクレールは、このルールが完全に目的を達成しているとは言えないが、明らかに改善は見られたと考えている。

「他のマシンから3秒から1秒くらい後ろなら、以前よりも近づきやすくなっている。1秒から0.5秒くらいまで近づいたときには、去年と似た感覚だ」
「0.5秒、あるいはもっとずっと接近したときは、去年よりずっといいと感じるよ。興味深いし、いい感じだ」
マシン同士がより接近して走ることができるようになれば、ホイール・トゥ・ホイールのバトルが増えるはずだ。しかし、今年のボディワークの変更により、バトルの際の接触が増える可能性がある。主に、今年装着を義務付けられたフロントのオーバーホイール・ウイングレットの影響で、ドライバーたちにとっては昨年よりも視界が悪化しているからだ。
いずれにしても、F1にとって2022年は2021年とはまったく異なる年になることは間違いない。昨年同様、エキサイティングで、昨年よりも予測不可能な展開になりそうだ。