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投稿日: 2022.03.10 08:00
更新日: 2022.03.10 13:03

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回】VF-22のポテンシャルを実感、“良い意味”での驚きも。伸び代が見えたテスト


F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回】VF-22のポテンシャルを実感、“良い意味”での驚きも。伸び代が見えたテスト

 最初のテストを終えて、いい意味で驚いたのは、ターン5やターン10などの低速コーナーで、何もしていないにもかかわらずタイムが悪くないことです。シケインでも、速いチームには負けているものの、中団グループと比較すると良いレベルだったと思います。低速コーナーでの速さはラップタイムに大きく響いてくるので重要です。中速域ももっと改善できるし、空力部品を改善していけば高速コーナーでのタイムもよくなると思います。もちろん今年のフェラーリ製のパワーユニット(PU)も改善されており、直線でも戦闘力が増しました。

 もちろんまったく楽観視しているわけではありませんが、決して悲観もしていません。伸び代はたくさんあると思っています。次のバーレーンテストではもう少し空力性能を改善できる部品を入れて、コースに合ったリヤウイングを用意してとにかく走ることが課題です。バルセロナではやりたかったことの10%もできていないくらいでしたからね。こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが、マシンスペックを詰めてコンマ数秒を追求するよりも、とにかく走って信頼性を確保することが優先です。走ることでドライバーもタイムを上げていけますし、トラックサイドエンジニアの理解力も深まればもっとパフォーマンスは上がります。

 チームの雰囲気もいい感じです。あまり走れずにテストが終わったのでフラストレーションを感じていますが、昨年のように1年を棒に振るとわかって取り組んでいるわけではないので、みんな前向きです。

 2022年シーズンは、少なくとも他の2、3チームと戦いたいですね。予選でもQ1で終わるのではなく、Q2に進むというのが現実的な目標です。簡単にはいかないと思いますし、チームとしてもまだまだまとまってないところも多々ありますが、個々の能力はあるし、小さいチームならではの機敏さとか機動力という利点もあります。レギュレーションが大きく変わってまだ読めないところも多いですが、僕はこの1年を楽しみにしています。

ミック・シューマッハー(ハース)
2022年F1バルセロナテスト2日目 ミック・シューマッハー(ハース)
ミック・シューマッハー(ハース)
2022年F1バルセロナテスト2日目 ミック・シューマッハー(ハース)


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