更新日: 2017.01.05 15:34
2017新春F1覆面座談会(1)ワールドチャンピオンの去り際は、あれで正しかったのか?
──そのベッテルは予選でチームメイトのキミ・ライコネンに負け越してしまった
C氏「ライコネンは若い頃はイケイケでチャンピオンも獲ったけど、成熟した今は安定したレース運びやタイヤの労り方を身につけ、とてもスムーズにクルマを走らせている。一方で、ベッテルのドライビングはとにかくアグレッシブだ」
A氏「2015年までのクルマはライコネンのドライビングに合っていなかったが、『ライコネンのスタイルに合わせた設計をする』という(テクニカル・ディレクターの)ジェームズ・アリソンの宣言通り、2016年は彼の持ち味を発揮できるクルマを作ってきて成績も上向いた」
C氏「そのアリソンはフェラーリを辞めたけど、彼はその後、どうしてるんだい?」
A氏「表向きの理由としては奥さんが亡くなった後、子どもたちと過ごす時間を増やすためと言われているけど、奥さんが亡くなるずいぶん前からイギリスに帰りたいと言っていたんだよね」
B氏「僕も同感。たしかに奥さんの件は気の毒だけど、アリソンの子供って、末っ子でも18歳とか19歳あたりのほぼ成人。親父がそばにいなければならないということはなかった。子供がアリソンを必要としていたより、アリソンがイギリスに帰りたかったと考えるほうが自然。そして、帰国したかった最大の理由はなんにでも口出しするフェラーリ会長の(セルジオ)マルキオンネの存在があったから。ほかのイギリス人エンジニアたちがフェラーリへ行かない理由もそこにある。アリソンはイタリア語ペラペラなのに、フェラーリをやめちゃうほどだから」
──F1に戻っては来ないんですか?
A氏「まだ若いし、このまま引退するとは考えにくいかな。イギリスのチームが彼を狙っていると思うよ。マクラーレンも彼をほしがっているんじゃない?」
C氏「アリソンが抜けたフェラーリの内部はますますヤバイよね」
A氏「フェラーリは良い人材は揃っているのに、うまく使えてない。トップで人材を動かすジャン・トッド的な存在が欠けているのが今のフェラーリの最大の問題点だ」