■休養を発表したバトンは、早く引退したくて仕方なかった?
──そのマッサは正式に引退発表を行ったが、ウイリアムズから17年のオファーを受けたと報道された。しかし、ジェンソン・バトンの名前がいっさい噂に出てこない。1年間の休養を発表したものの、最終戦の記者会見では「最後のレースになるだろうと」宣言し、正式な引退発表をせずに去っていったバトンについては?

A氏「少しかわいそうだと思ったよ。本人は休養ではなく、引退したくて仕方なかったのに。でもロン・デニスからあれだけ慰留されたら……。本人はモンツァでの発表直後から、『18年も走ることはないだろう』と言っていた。正式に引退発表をしたマッサはまだやる気があって、ウイリアムズに戻ってきそうな状況を考えると、皮肉なものだね」
──フェルナンド・アロンソかストフェル・バンドーンが、17年末で移籍してしまったときの皮算用としてバトンを残しておくという考えがあった?
A氏「確かに、アロンソが別のチームに行ってしまったときの保険かもしれない。アロンソだって、本音ではメルセデスに乗りたくて仕方がないはずだからね。いつ芽が出るかわからないマクラーレンにいても……」
B氏「マーケティング的な観点で言えば、2年前にマクラーレンがケビン・マグヌッセンではなくバトンを選んだとき、1対1のインタビューでデニスは『イギリスのメディア向けに、イギリス人ドライバーを残しておきたかった』とハッキリ言っていたからね。マクラーレンからイギリス人ドライバーがいなくなるのは、06年のライコネン&モントーヤ以来。今回もリザーブでもなんでもいいからバトンを残したかったという感じで、レッドブルやウイリアムズに比べると、マクラーレンは本当にイギリス色の強いチームだという印象だ」
C氏「バトンはフォトジェニックな存在であるし、撮影していて嫌な思いもしたことがないから、個人的には好きだったなあ」