Luis Vasconcelos

■評価 7/10:サインツはまたもや不必要なクラッシュ

 チームメイトの活躍が目立つなか、カルロス・サインツ(フェラーリ:評価 7/10)セルジオ・ペレス(レッドブル:評価 7/10)は週末を通して僚友のレベルにはおよばなかった。

 サインツは再びFP2で不必要なミスを犯した。予選で見事なラップを走ってフェラーリ1-2に貢献し、決勝では新品タイヤを履いたペレスに対して粘り強くポジションを守り切ったことは高い評価に値する。だが、重要でない場面でプッシュして不必要なクラッシュをするべきではない。

2022年F1第5戦マイアミGP カルロス・サインツ(フェラーリ)が3位を獲得
2022年F1第5戦マイアミGP カルロス・サインツ(フェラーリ)が3位を獲得

 ペレスはうまく調子を上げていくことができず、ポールポジション争いには全く絡めず。決勝ではセンサートラブルを抱えながら走らなければならなかった。セーフティカー出動によってフリーストップを得ることができたが、サインツに挑むなかで、オーバーテイクしようとしてターン1でオーバーシュート。それ以降、ペレスにチャンスは訪れなかった。

2022年F1第5戦マイアミGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第5戦マイアミGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 ジョージ・ラッセル(メルセデス:評価 7/10)はセーフティカー出動のタイミングはラッキーだったと認めている。それがなければ、最高でも7位どまりだっただろう。予選でうまく1周をまとめることができず、それが順位に響いた。チームメイトのハミルトンが、W13の本来の力を示している。

2022年F1第5戦マイアミGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 エステバン・オコン(アルピーヌ:評価 7/10)はFP3でクラッシュという痛いミスを犯し、難しい状況に陥ってしまった。予選で走れず、決勝を最後方からスタートしなければならなかったのだ。

 しかし決勝ではハードタイヤでペースが良く、一貫性もあり、40周以上タイヤを持たせて走った。それが入賞につながったといえるだろう。

2022年F1第5戦マイアミGP エステバン・オコン(アルピーヌ)

 ランド・ノリス(マクラーレン:評価 7/10)ピエール・ガスリー(アルファタウリ:評価 7/10)は、入賞にふさわしい走りをしていたものの、他のドライバーのミスによってそのチャンスを奪われた。

 ノリスは今回も余裕でダニエル・リカルド(マクラーレン)より速かった。決勝では8位を獲得する見通しだったが、ピットに戻る途中だったガスリーとクラッシュしてリタイアした。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2022年F1第5戦マイアミGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 ガスリーは、FP3では角田裕毅(アルファタウリ)よりタイムが遅かったが、予選Q3で力を発揮し、決勝でも良い走りを見せた。しかしターン1でアロンソにヒットされたことでマシンにダメージを負い、ノリスとの接触の後、リタイアした。
2022年F1第5戦マイアミGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ)
2022年F1第5戦マイアミGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ)

■評価 6/10:接触を繰り返したアロンソ

 今回のフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ:評価 6/10)は、彼らしいパフォーマンスを発揮できず、予選で苦労した後に、決勝では最初にハミルトン、後にガスリーに接触した。ガスリーとのインシデントについてタイムペナルティを受けた後、シケインをショートカットしたことでもペナルティを科されたため、ポイント圏外へと降格された。スタートを決め、アウト側からターン1にアプローチして7番手まで上がった動きは見事だった。

2022年F1第5戦マイアミGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
2022年F1第5戦マイアミGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

 ランス・ストロール(アストンマーティン:評価 6/10)は、ようやく良い週末を送ることができた。予選でセバスチャン・ベッテルに勝ち(とはいえ、ふたりともトラブルのためピットからのスタートを強いられたが)、決勝中、ハードタイヤで何度か大胆な動きを決めて、ポジションを上げた。アロンソの2つ目のペナルティで10位に繰り上がり、1ポイントを獲得。しかしメルボルンでウィービングによりペナルティを受けたにもかかわらず、再び警告を受けたのはいただけない。
2022年F1第5戦マイアミGP ランス・ストロール(アストンマーティン)
2022年F1第5戦マイアミGP ランス・ストロール(アストンマーティン)

 親しい間柄のミック・シューマッハー(ハース:評価 6/10)セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン:評価 6/10)が、ふたりとも入賞圏内を走りながら、残り3周のところで接触し、ポイントを逃した。

 シューマッハーは週末のほとんどでチームメイトのケビン・マグヌッセン(ハース)より優れており、決勝では自分のポジションをうまく守って走り、ハードでありながらフェアに戦う力があることを示していた。9番手を走りながらクラッシュでポジションを落としたのは残念だった。

2022年F1第5戦マイアミGP ミック・シューマッハー(ハース)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
2022年F1第5戦マイアミGP ミック・シューマッハー(ハース)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

 ベッテルは、予選で痛いミスを犯した後、トラブルでピットスタートになったものの、うまく挽回し、ストロールのすぐ後ろを走行。ハードタイヤをうまく管理して、ロングスティントを走った。

 ミディアムタイヤではストロールより速く、シューマッハーとの接触がなければ、ポイントを獲得できたかもしれない。

セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
2022年F1第5戦マイアミGP セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

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