──2年目の角田裕毅(アルファタウリ)選手はいかがですか。先日のスペインGPでは、素晴らしいレースをしていました。
山本氏:素晴らしかったね。その前のマイアミでは予選がよかったのに突然レースでうまくいかなかったので、ちょっと心配していました。モナコで角田くんに会って、そのことを聞いたら、ブレーキに問題があったことがわかってホッとしました。本人もスッキリした顔をしていたし、スペインの走りを見ていると、モナコも楽しみです。
──今年はピエール・ガスリーと常にいい勝負をしていますよね。
山本氏:ガスリーに勝つことは簡単じゃないし、ガスリーもお尻に火がついているでしょ。そういう意味では本当の意味で切磋琢磨してるから、いいんじゃないですかね。僕はふたりとも応援してるから、いい感じです。

──今年FIA F2にステップアップした岩佐歩夢(ダムス)選手はいかがですか。
山本氏:ダムスに移籍して、今年は結果が出るまで、少し時間かかるかなと思ったけど、スペインではレース1で表彰台に上がるなど、よくやっていると思います。岩佐くんのいいところは柔軟性。よく考えているし、素直。素直だからいろんなことを吸収して成長しています。
──そういう意味ではダムスに移籍してよかったですね。その前のチームとはあまりいいコミュニケーションを取れていなかったようですから。
山本氏:マルコさんともいろいろ話し合っていました。元々ダムスは名門ですが、3年前にオーナーが亡くなって、少しチームが不安定になっていた。角田くんもDAMSに移籍する可能性があったのですが、マルコさんがDAMSはしばらくうまくいかないから待った方がいいと。それで3年経って、マルコさんがそろそろいいいいんじゃないかと。僕はカーリンを推していました。でもマルコさんが、カーリンには(リアム・)ローソンがいて、オーナーのトレバー(・カーリン)がローソンにチャンピオンを獲らせたいから、もうひとりのドライバーはルーキーではなく2年目以上がいいということでカーリンの話はなくなったんです。

──ホンダを辞めて約4カ月が経ちました。どんな感じですか?
山本氏:正直、会社を辞めて1カ月ぐらいはモヤモヤしていました。やっぱり、私はI love HONDAですから。でも1カ月が過ぎたあたりからは、そういうモヤモヤはなくなりました。じつは今回のモナコのホテルが、ホンダと同じホテルでした(笑)。毎日HRCのメンバーと会っています。ホンダをやめても、彼らとの関係は何も変わっていません。
──ホンダがタイトルスポンサーについた日本GPは、今年開催できますよね?
山本氏:僕が言うことじゃないけど、さすがに今年はできるでしょう。F1の関係者は全員パドック内にとどまって、バブルを形成すれば、問題はないと思います。あとはパドッククラブの運営をどうするかとか、そういう細かいところを詰めていると聞いています。というのも、パドッククラブを管理するのは基本的にヨーロッパの人たちですが、お客さんは日本人の方たちなので、バブルが交わってしまうからです。ただ、今後日本のコロナ規制が変わることも考えられるので、そのあたりは注視していきたいと思います。