【新連載プレビュー】レーシングドライバーと代理人の実情。他スポーツとの違い【タキ井上が語る敏腕F1マネージャー】
こうした実情を踏まえて、次回以降この新連載の記事を読者のみなさまには読んでいただきたいと切に願う。敏腕F1マネージャーあるいはその関係者として取り上げるのは以下の人物たち。元レーシングドライバーであり7シーズンもレッドブルF1に所属したマーク・ウェバー。アルピーヌ育成ドライバーにもかかわらず、今回マクラーレンF1と2023〜2024年のドライバー契約を締結したオスカー・ピアストリのマネージャーだ。
レーシングドライバー上がりという範疇でいえば、ジェンソン・バトンやキミ・ライコネンをF1へ導いたスティーブ・ロバートソンを取り上げる必要があるかもしれない。元F1ドライバーのマーク・ブランデルとマーティン・ブランドルによって創設されたエージェンシー『2MB』に触れる必要もあるだろう。
普段、オートスポーツwebなどのレース専門メディアで目にしない『GPスポーツ・マネジメント』のジュリアン・ジャコビやエンリコ・ザナリーニも取り上げたい。このふたりは現在のF1界において、それなりに強烈なパワーを持つマネージャーだ。また、このふたりほどではないが、ジャンパオロ・マテウッチにも軽く触れてみたいとも思う(汗)。
過去の敏腕F1マネージャーでは、かつてミカ・ハッキネンをクライアントとし、現在もロイック・デュバルやヤン・マグヌッセンをクライアントとするディディエ・コトン。ミハエル・シューマッハーやラルフ・シューマッハーなど、ドイツ人レーシングドライバーのマネージャーだったウイリー・ウェバーも外せない。
そして元レーシングドライバー、現在はメルセデスAMG F1チーム代表・CEOを務めるトト・ウォルフ。メルセデスのモータースポーツプログラムを運営するHWAの株式取得やウイリアムズF1の株式取得など実業家であるだけでなく、レーシングドライバーのマネージャーもこなすバリバリのビジネスマン。もちろん、メルセデスAMG F1チームの株式も約30%をちゃっかり保有している。
元FIA世界自動車連盟会長であるジャン・トッドの息子ニコラス・トッドのパワーも見過ごせない。フェラーリに所属するシャルル・ルクレールは、ニコラスが運営する『オール・ロード・マネジメント(ALM)』のクライアント。すでにF1からは離れているが、ダニール・クビアトやフェリペ・マッサを始め、FIA F2ドライバーのマーカス・アームストロング、WEC世界耐久選手権にTOYOTA GAZOO Racingから参戦するホセ-マリア・ロペスも抱えている。
こうしたモーターレーシングの世界で、マネージャー(≒エージェンシーやエージェント)たちが頼りにしている人物がいる。元F1のドンであるバーニー・エクレストンや元ルノーF1代表だったフラビオ・ブリアトーレだ。ふたりとも第一線からは身を引いているとはいえ、現在でも強烈なパワーを持っていることを忘れてはならない(汗)。
そして、かつて“史上最低のF1ドライバー”の称号をめでたく受けたタキ井上。そのタキ井上をF1ドライバーにしてくれた人物も、いつか訪れる最終回で紹介したいと思う(汗)。1990~1993年に参戦した全日本F3選手権では優勝はおろか表彰台に立った経験もなく1994年に参戦した国際F3000選手権(※現在のFIA F2に相当)では入賞経験さえなかったタキ井上。しかし、1994年にシムテックから日本GPにスポット参戦、1995年はフットワークF1でフル参戦に導いたのだから、彼こそが“史上最高の敏腕F1マネージャー”だと信じる……(汗)。
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