■評価 8/10:チームメイトに及ばずも堅実な走りで2位をつかんだラッセル
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選6番手/決勝2位
ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2位に入ったことが、メルセデスにとってせめてもの慰めになっただろう。ラッセルは週末を通して堅実な走りを見せたが、チームメイトの陰に隠れて目立たなかった。日曜にペースが向上したが、ハミルトンには及ばず。だがレース終盤、チームが2台の戦略を分け、ラッセルにより速いタイヤを与えたことでチャンスが訪れ、18ポイントを獲得した。

■評価 7/10:サインツは悲惨な展開で上位から脱落
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選3番手/決勝8位
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ):予選13番手/決勝6位
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選12番手/決勝9位
ランド・ノリス(マクラーレン):予選7番手/決勝7位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選15番手/決勝12位
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選5番手/決勝5位
カルロス・サインツ(フェラーリ)は予選前まではルクレールより速かったが、予選で逆転が起き、レースではさらに差が拡大した。最初のピットストップでタイヤが用意されていないという悲惨な目に遭い、10秒をロスした。うまく挽回してペレスの前を走っていたものの、幾分不可解なペナルティを受けて、3ポジションを落とす結果となった。
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は予選で珍しくミスを犯し、Q3進出を逃した。決勝では再び輝きを見せ、F1チームがドライバー選択の主な基準として年齢を考慮するのは誤りであることを証明した。着実に順位を上げていき、ハードタイヤをうまく使いこなし、サインツのペナルティもあって、6位をつかんだ。
エステバン・オコン(アルピーヌ)はマシンバランスに満足いかず、Q2で敗退。決勝最初のラップで9番手までジャンプアップした後、ソフトタイヤでのスティントを長く取りすぎて、アロンソとランス・ストロールの後ろに下がった。ハードタイヤでのペースがアロンソほどよくなかったものの、後にアストンマーティンの前に出て、終盤、SCピリオドでのピットインが1周遅かったことでランド・ノリスより下位に下がった。
ランド・ノリス(マクラーレン)の7位は喜ぶほどの結果ではなく、マクラーレンはアルピーヌにポイント差をどんどん広げられている。しかしノリス自身は2台のアルピーヌを相手によく戦った。今回も予選で素晴らしい走りを見せて、ラッセルに迫るタイムを出し、決勝スタートでラッセルを追い抜いてみせた。とはいえその位置を守れるだけの速さはなく、ラッセルをさほど苦しめることができなかった。後にアロンソにアンダーカットされ、直線スピードが足りずに、最後まで抜き返すことができなかった。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、おそらく最も遅いマシンに乗っていたにもかかわらず、速さと一貫性を今回も見せつけた。予選でQ2に進み、スタートではポジションをふたつ落としただけで済んだ。ギャンブルでオーバーカットを試み、バルテリ・ボッタスの後ろに下がったが、ハードタイヤでのペースが良く、最終的に12位でフィニッシュした。
セルジオ・ペレス(レッドブル)はサインツのペナルティで繰り上がって5位と、期待外れの結果に終わった。Q3をスピンで終えたことは、フェルスタッペンのポールを守ることにもなったかもしれないが、自分自身のポジションは5番手にとどまった。決勝では表彰台争いには絡めず、ただチームへの貢献として、ハミルトンを激しいディフェンスで抑えつけ、3秒失わせた。レッドブルにとっては理想的なナンバー2ドライバーなのかもしれない。
