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投稿日: 2022.11.07 06:31
更新日: 2022.11.07 06:42

F1技術解説:メキシコGP(2)高地でフェラーリを苦しめたエンジン特性


F1 | F1技術解説:メキシコGP(2)高地でフェラーリを苦しめたエンジン特性

 空気密度が低いことは、F1エンジンの冷却にも大きな影響を及ぼす。ラジエーターに少しでも多くの空気を通してエンジンを冷やすために、各チームは車体の冷却孔をさらに大きくした。

「サイドポンツーンだけでなく、マシン内部のいたるところにラジエーターがある」と、アストンマーティンのテクニカルディレクター、アンドリュー・グリーンは説明する。

「特にドライバーの背後、エンジン上部、ギヤボックスの上などに配置されている。エンジンに限っても水と油、そして圧縮されてさらに熱くなった空気を冷やさなければならない。それに加えてハイブリッドシステム全体では、モータージェネレーター、電子ボックス、バッテリーの冷却が必要だ」

「パワートレイン以外にも、トランスミッションや油圧システム全体を冷やさなければならない。要するに、ラジエーターであれインタークーラーであれ、冷やさなければならない要素がたくさんあるということだ」

 冷却はブレーキにも重要だ。空気の密度が低いため、フロント、リヤともにカーボンディスクを冷却するために、より多くの空気が必要となる。そのため各チームは可能な限り、ブレーキダクトを大きくした。

2020年F1メキシコGP マクラーレンMCL36の冷却対策
2020年F1メキシコGP マクラーレンMCL36の冷却対策

 マクラーレンも同様で、上の画像でわかるように、特にリヤのブレーキダクトを大きく広げている。また、このコースで重要なダウンフォースを高めるために、ダクトにさらに数枚のフィンを追加した(上の写真の一番下がモンツァの構成)。

 メルセデス同様、マクラーレンもメキシコシティの高い標高が、マシンの欠点を隠してくれた。その結果、決勝レースではリカルドとノリスがダブル入賞を果たした。アルピーヌと激しい4位争いを繰り広げているコンストラクターズ選手権で、マクラーレンはライバルの7点差まで迫った。


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