Luis Vasconcelos

■評価 7/10:タイヤをうまく使えず、ランキング2位を逃がしたペレス

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選5番手/決勝18位(DNF)
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選6番手/決勝5位
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選2番手/決勝3位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選19番手/決勝13位
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選14番手/決勝8位
周冠宇(アルファロメオ):予選15番手/決勝12位

 今回、3番目のマシンだったメルセデスで最大限の結果を出そうとしていたルイス・ハミルトン(メルセデス)だが、決勝1周目からアクシデントに見舞われた。サインツとのバトルのなかでシケインをカットして縁石でジャンプしながらコースに戻った後、ハミルトンはサインツにいったんポジションを返し、改めて抜き返した。極めて高いタイヤマネジメント能力を持つハミルトンだが、ファーストスティントの序盤でタイヤを傷めてしまい、後方からサインツが追い上げてきた時にはなす術がなかった。ハードタイヤに交換した後、状況が向上したものの、2回ストップでフレッシュなタイヤを履いたサインツに抜かれ、5位確定かと思われた時にハイドロリック系のトラブルに見舞われ、残り3周のところでリタイアしなければならなかった。

2022年F1第22戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ハミルトンは小さなダメージを負ったマシンで走り続けていたが、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は完調なマシンだったにもかかわらず、最初のスティントではチームメイトと同等のペースを発揮することができなかった。スタート直後にノリスに奪われたポジションを取り返そうとするなかで、フロントタイヤを使いすぎてしまったのだ。その後、ピットストップで時間をロスした後に、チームのアンセーフリリースにより5秒のタイムペナルティを受け、6番手を走行、チームメイトのリタイアでひとつ繰り上がった。

 ランキング2位争いでルクレールに勝つため、セルジオ・ペレス(レッドブル)はチームメイトの助けを期待していたが、結局はひとりで戦わう展開になった。決勝1周目になんとかルクレールを抑えたペレスは、前を行くフェルスタッペンについていこうとした結果、フロントタイヤを傷めてしまい、2回ストップ戦略で走るしかなかった。セカンドスティント序盤でプッシュしすぎて、ベッテルを抜く際にシケインをカット、結局ベッテルの前に出るのに半周を費やし、33周目という早い段階で2回目のピットストップ。ハードに交換した直後に再びタイヤを使いすぎて、ハミルトンを抜くのに時間がかかってしまい、ルクレールに追いつくことができなかった。あと2周あれば前に出られたかもしれないが、ペレスは2位争いに敗れたことで、ランキング2位も逃がす結果となった。

2022年F1第22戦アブダビGP 3位セルジオ・ペレス(レッドブル)

 全10チームのなかで一番遅いウイリアムズのマシンに乗っていることで、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のパフォーマンスの素晴らしさが目立たないことが残念だ。彼は2022年シーズンの隠れたヒーローのひとりと言っていい。マシンの力を考えれば、最後列グリッドになってしまうことは避けられなかった。しかし決勝最初の5周でポジションを4つ上げて、必死にプッシュした。しかしそのためにタイヤが12周しか持たなかった。アンダーカットによって周冠宇とリカルドの前に出て、バルテリ・ボッタスを抜いて11番手まで上がったはいいが、アルボンは3セット目のタイヤに交換しなければならなかった。終盤ガスリーをパスしたものの、最終ラップではタイヤが残っていなかったために周冠宇とは戦えず、13位にとどまった。

 ランス・ストロール(アストンマーティン)は今回もチームメイトよりも良い戦略で走り、ハミルトンのリタイアで8位をつかんだ。予選でベッテルより0.4秒も遅かったストロールは、決勝スタート直後にふたつポジションを上げた後、2回のアンダーカットによってさらに順位を稼ぎ、チームメイトに譲ってもらった後にリカルドの前に出た。しかしアストンマーティンがコンストラクターズ選手権6位争いで勝つには足りなかった。

 周冠宇(アルファロメオ)のレースはチームメイトより効率的だった。センセーショナルなラップでQ2に進んだものの、マシンにそれ以上の力は残っておらず、15番手に。決勝スタートでひとつ順位を落とした後、チームは彼のミッションを、終盤、ベッテルとストロールを抑えつけることに定めた。そのプランはうまくいったようで、アルファロメオはランキング6位を守り切ることができた。終盤ソフトタイヤに交換した周冠宇は、ガスリー、アルボンを抜いて12位でフィニッシュした。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
2022年F1第22戦アブダビGP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)

■評価 6/10:アルピーヌを去るアロンソにまたもトラブル

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ):予選11番手/決勝リタイア

 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にとってアルピーヌでの最後のグランプリは満足いくものにはならなかった。予選ではオコンに敗れ、決勝ではまたもやエンジンが壊れ、リタイアしなければならなかったのだ。決勝序盤は、来年の移籍先アストンマーティンを助けたいのかと思われるほどに、ベッテルを抜かずに後ろで走り続けた。タイヤ交換後はアタックし始め、マグヌッセン、ボッタス、角田を次々に抜いたが、その直後にレースを終えなければならなかった。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
2022年F1第22戦アブダビGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

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