更新日: 2023.04.11 07:20
【全ドライバー独自採点/F1第3戦】大きなチャンスを残酷に奪われたラッセル。マシンに苦しみながら今季初入賞の角田
■評価 7/10:勇敢に戦うもマシンのペース不足でポジションを落としていった角田
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選5番手/決勝12位
ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選9番手/決勝リタイア(13位完走扱い)
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選16番手/決勝8位
周冠宇(アルファロメオ):予選17番手/決勝9位
角田裕毅(アルファタウリ):予選12番手/決勝10位
カルロス・サインツ(フェラーリ)は、週末を通して、ラッセルと並ぶ素晴らしいパフォーマンスを発揮したため、本来ならもっと高い評価をつけたかった。予選Q3ではタイヤの準備を整える方法について自分自身で決定を下したことにより、ルクレールを上回る結果を出した。レースでは1周目にアロンソを見事にパスして4位に浮上。しかしラッセルと同様に、ピットストップ直後に最初の赤旗が出たことの犠牲になり、11番手にまで落ちた。ハードタイヤに交換した後、6周のなかで周冠宇、角田裕毅、ノリス、ヒュルケンベルグ、ストロールを抜き去った。しかしピエール・ガスリーをパスするのにはさらに10周を要した。
次のターゲットはアロンソだったが、オーバーテイクをしかけるのに十分なほどは近づけなかった。結局、2回目の赤旗後のリスタートでミスを犯してアロンソにヒット、非常に厳しいペナルティを科されて、12ポイントを失った。このミスで、評価において3点を減点した。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に関しては、減点を2点にとどめよう。彼のミスがどのようにして起きたかというと、2回目の赤旗後のリスタートで、スピンしていたアロンソに衝突するのを避けなければならず、それが元でエステバン・オコンにヒットしたのであり、致し方ない部分もあった。もちろん、ミラーを見ればオコンがそこにいることが分かったはずだが、他人のミスで、ほぼ手中に収めていた5番手を失ったばかりの人間にそこまで望むのは気の毒だ。
ガスリーは予選でチームメイトに勝ち、ポイント圏内を余裕を持って走行、ハミルトン、アロンソ、サインツに追いつく一方で、後ろのストロールを引き離していた。これほど素晴らしい走りをしていたにもかかわらず、自分とチームのポイントを失う結果に終わったことはただただ残念だ。
地元のヒーロー、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、予選では経験豊富なノリスとわずか0.3秒差のタイムを出したが、Q1敗退。レースでは、最初の赤旗でトップ10入りしたものの、自分より速いマシンに乗るサインツ、ペレス、オコンを抑えることはできなかった。終盤クリーンエアで走ったピアストリは、角田をパスし、良いペースを発揮。終盤、アルピーヌ勢のリタイアとサインツのペナルティによって、ポジションを3つ上げ、F1での初ポイントをつかんだ。
周冠宇(アルファロメオ)も、終盤のリスタートでの混乱により大きな恩恵を受け、9位入賞を果たした。それでも周は予選でバルテリ・ボッタスを破り、レースでもチームメイトを引き離し、堅実なパフォーマンスを見せていたので、2ポイントという結果にふさわしい。
角田裕毅(アルファタウリ)は、サインツの降格により今季初入賞。サインツのペナルティがなければ、角田は再び11位になっていた。今回も週末を通して、チームメイトより速く、決勝では最初の赤旗によってポイント争いに加わり、勇敢に戦ったものの、AT04のペース不足により、最長のDRSゾーンにおいていくつもポジションを失った。
■評価 6/10:Q1でコースオフも、運よく11点を加算したペレス
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選6番手/決勝4位
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選ノータイム/決勝5位
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選11番手/決勝リタイア(14位完走扱い)
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選8番手/決勝リタイア
順位からしてランス・ストロール(アストンマーティン)のこの評価は低すぎると思われるかもしれないが、彼はおそらくこの週末において最もラッキーなドライバーだった。予選ではアロンソにかなわず、決勝1周目にアルボンにパスされたストロールは、その後、アルボンがクラッシュし、ラッセルとサインツが最初の赤旗で後退したため、4番手から再スタートを切ることになった。しかしすぐさまラッセルとガスリーにパスされ、11番手から浮上してきたサインツにも抜かれ、先頭集団についていくことができなかった。終盤のリスタートで自らコースアウトしたが、再び赤旗が出たことに助けられ、アルピーヌ勢がリタイアし、サインツがペナルティを受けたことによって、実際には8番目の速さしかなかったにもかかわらず、4位を手にした。
セルジオ・ペレス(レッドブル)にとって5位は天からの恵みのようなものだ。土曜日には5回もコースオフ、予選Q1で最後のコースオフを喫してノータイムに終わり、表彰台のチャンスを失った。ピットからスタートしたペレスは、ジェッダでのフェルスタッペンほど順調にポジションを上げていくことができず、20周かかってノリスをようやく追い抜いた。終盤のリスタートでの混乱の恩恵を受けて、貴重な10ポイントを獲得、さらにファステストラップも記録して、1点を追加した。
エステバン・オコン(アルピーヌ)は週末を通してチームメイトにおよばず、最終的にはガスリーとのアクシデントによりリタイアに終わった。ガスリーほどA523に快適に乗れていなかったのは確かだが、ウォールでレースを終えるという結果は気の毒だった。
予選と決勝序盤7周でのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は素晴らしかった。ウイリアムズで8番手というセンセーショナルな予選順位をつかみ、決勝1周目にストロールを追い抜いた。その後、先頭集団から遅れていき、ターン6でウォールにヒットした。素晴らしいリザルトを取り逃したのは確かだが、そのミスが起こるまでは見事だったので、これ以上低い評価をつけることはできない。
■評価 5/10:本来の速さを発揮できなかったルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選7番手/決勝リタイア
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ):予選19番手/決勝11位
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選14番手/決勝リタイア(17位完走扱い)
シャルル・ルクレール(フェラーリ)にとってひどい週末だった。予選では、常にチームの指示に従って行動した結果、その代償として、チームメイトに今年初めて敗れた。準備ラップが2周必要だったにもかかわらず、1周しか行わなかったことで7番手に沈んだのだ。決勝1周目に悪い判断をして、アクシデントによりリタイアした。もちろん速さは相変わらず持ち合わせているが、集中力が途切れているように見えるので、次戦に向けてしっかり立て直す必要がある。
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は2戦連続で、予選とレースの両方でチームメイトに負け、今回はマシンに問題があったわけでもなさそうだった。予選ではうまくラップをまとめることができず、ピットレーンからスタートしたにもかかわらず、パフォーマンスが振るわず、彼にとって残念な週末だった。
今回もうひとり低調だったのは、ケビン・マグヌッセン(ハース)だ。チームメイトに太刀打ちできず、予選Q2でのタイム差は0.7秒におよんだ。決勝でポイント圏内に入ることができず、終盤、周冠宇からポジションを守ろうとしている際に、ターン2の外側のウォールに接触、路面のデブリをまき散らし、赤旗の原因を作った。
■評価 4/10:精彩を欠いたデ・フリース
ニック・デ・フリース(アルファタウリ):予選15番手/決勝リタイア(15位完走扱い)
3戦連続でニック・デ・フリース(アルファタウリ)は、予選で角田に敗れ(0.236秒差)、決勝では後方でほとんど存在感を示していなかった。終盤のリスタート直後、ミスを犯したローガン・サージェントに追突されて、レースを終える結果になった。
■評価 3/10:速さがなくミスも犯したサージェン
ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選18番手/決勝リタイア(16位完走扱い)
ローガン・サージェント(ウイリアムズ)は、ジェッダでの輝きを失っていた。予選はチームメイトがQ3に進出したにもかかわらず、Q1で敗退。レースでは、すべてのコンパウンドを試したものの速さを見出せず、最後にミスを犯してクラッシュしてしまった。