さらに技術陣はこのポッド周辺で付属的パーツの大幅緩和を受け、実に複雑な空力処理を施してきた。どこからどこまでがボディワーク本体で、どれが付属的パーツなのかは一見ではわからないほどで、執念がうかがえる。
ノーズは16年型の思想を踏襲。前後ウイングも今年の新規定に合わせた傾斜等の処理こそあるものの、この初回テスト段階では前年コンセプトの流用でしかない。ノーズの変更は現実味にとぼしいとしても、ウイングの「本番仕様」が姿を現すのはおそらく、まだ先だ。

エンジンカウルには他のチームたちと同様、シャークフィン処理を用いてきた。このフィン後端の最上部には長い水平翼が設置されており、やや下向きに気流を送っているようだ。現時点でメルセデスのようにさまざまなタイプの比較テストを行なっているわけではなく、単一の仕様でテスト3日目までを過ごしていた。

パワーユニットに関しては、他3社のような具体的な開発の言及はいまのところ出ていない。本国イタリアでは1000馬力を超えているとの報道も一部にあるようだが、信憑性としてはどうか。だが開発制限が解かれたことで、各社とも、近い将来のその1000馬力到達は確実に視野に入れているはずだ。大台達成は夢の数字ではなく、もう間近に迫っている。