更新日: 2017.03.06 10:44
今宮純のF1合同テストインプレッション:新時代の“超速”F1は戦力差縮小の予感
チーム別テスト走行距離1位メルセデスは、昨年675周より少ない558周。2位フェラーリは昨年より100周以上多い468周、信頼性領域でも進歩が読み取れる。
レッドブルに着目すると、昨年のテストでのラップ数369周から295周に低下。エキゾースト系トラブル発生によりプログラムが未消化だった。新設計ルノーPUに悩ましい部分が判明、そこでやや“デチューン・モード”とした(ようだ)。
レッドブルは回転域をやや低めに直線速度も2日目から抑え気味、その状態で低速シケインでは俊敏性を発揮、ダウンフォースがその速度でも有効だったのは不気味。開幕までにアップデートを練るエイドリアン・ニューウェイが、今回現場視察に来てフェラーリのサイド周辺やメルセデスのフロント周辺を綿密にチェック。右肩上がりでパフォーマンス曲線を上げてきそうだ。
現時点構図の3トップはメルセデス、フェラーリ、レッドブル。しかし、予想していた以上に戦力が縮まりつつある。それを王者チーム(とハミルトン)もはっきり意識したのではないか。
中間チームをランダム・チェックしていこう。昨年ランク4位を勝ちとったフォース・インディアは、タイムも走行距離も中位。ニュータイヤ特性把握を重視、こまめに各スペックを同一セッティングで試しながらデータ収集。セルジオ・ペレスの知見を学習する新加入のエステバン・オコンも、無難に走り込んだ。
一方ウイリアムズの“おぼっちゃま新人”ランス・ストロールは110周をラップし、3度クラッシュ、チームは彼のミスをかばったが、ダメージは深刻、走行1000Km未満で撤収。「フェリペ・マッサが帰って来てくれて本当によかった」。それがチームの本音だ。