バンドーンが優れたドライバーであることは、GP2時代、スーパーフォーミュラ時代、そしてリザープドライバー時代のチーム関係が口を揃えて語っているが、具体的にどこが秀でているのだろうか。テンプルはこう続けた。
「まず、ナチュラルな速さがある。これはレーシングドライバーにとってもっとも大切なこと。そのうえで、非常に賢いんだ。フィードバックやセットアップ作業がとても正確で細かいから、エンジニアとしては仕事がやりやすいんだ」と賞賛した。
それ以外に、バンドーンにはあとふたつ、素晴らしい点があるという「そのひとつは、マシンの状態に対する感度がいいこと。マシンがどのような状態で走っているかを感じ取るセンサーの精度が高いんだ。そのことをよく証明しているのが、去年のバーレーンGPでのタイヤマネージメント。並の新人なら、レースになるとすぐにエキサイトしてタイヤをダメにしてしまうが、ストフェルはリヤタイヤと対話しながら、レースをコトロールしていたよ」と語る。
そして、最後にテンプルが挙げたのが、バンドーンの努力する姿勢だ「私はこれまでルイス(ハミルトン)、フェルナンド(アロンソ)と仕事をした経験があるけど、ふたりともドライビングスタイルもキャラクターも大きく違うけど、速くて、賢くて、センサーの精度が高く、そして努力家という点は共通していた。だから、その点ではバンドーンもチャンピオンになる逸材だと思う。私はマックス(フェルスタッペン)よりも上だと思うよ」と賞賛した。
合同テストでは、バンドーンが駆るマクラーレン・ホンダはトラブルが連続。バンドーンにとって、状況は必ずしも良くない。しかし、状況が困難になればなるほど、速く、賢く、感度が良く、努力家のバンドーンは真価を発揮するだろう。