
もともと、そこにインダクションポッドがあることには変わりなく、リヤウイングに向かう空気の邪魔をしているのだから、開口部が大きくなったところで邪魔なことには変わりはないという発想だろうか。とはいえ、空気がスムーズに流れる努力はしており、インダクションポッドの下部(写真:2)とヘルメットの両脇を大きくえぐっている(写真:3)。
メルセデスとトロロッソは突起のないプレーンなノーズとし、ウイングを吊り下げるステーの外側にきれいな空気を流すコンセプト。フォース・インディアを除くそれ以外のチームは突起型のノーズを採用し、ウイングステーに挟まれた空間も、空気の通り道として重要視しているように見える。

相変わらず、フォース・インディアだけ独特だ。ウイングステーの間からも積極的に空気を取り込もうとしているようだが、ストレートに後方に抜くことはせず、パネルで仕切り、ノーズ下面に沿って排出する構造のようだ(写真:4)。空気の使い方が他のチームとは違う。
リヤに向かって流れる空気の邪魔をしないよう、ステアリングタイロッドは上下サスペンションアームのいずれかと抱き合わせにして配置するケースが多いが、フォース・インディアは相変わらず独立したレイアウト(写真:5)。ここは空力よりも機構設計を重視したということだろうか。サスペンション系コンポーネントを配置する都合か、フロントバルクヘッド上面がこぶのようにふくらんでいるのも気になる(写真:6)。