更新日: 2016.09.02 19:10
モータースポーツとともに進化してきたアウディ。“ふたつのR8”の開発背景
同様の手法はその後も続き、アメリカのパイクスピークやIMSA、ドイツのDTM、世界各国で開催されたスーパーツーリングカーレースにクワトロで参戦すると、次々と栄冠を奪取。1999年にルマンに活躍の場を移してからは、直噴ガソリンターボエンジンのTFSI、直噴ディーゼルターボエンジンのTDI、クワトロ、e-tron、マトリクスLEDヘッドライト、レーザーハイビームなどを搭載したレーシングカーで13度の優勝を達成。ルマンの歴史に金字塔を打ち立てたのである。
以上のようなアウディのモータースポーツにおける輝かしい活躍を日本国内でも広く浸透させる目的もあり、アウディ・ジャパンは、先ごろ同社のスポーツモデルを取り扱うサブブランドとしてアウディ・スポーツを日本市場に導入。GT3レーサーのベースモデルともなったR8やRSモデルのプロモーションに力を入れることになった。
ご存じのとおり、アウディ・スポーツの名はルマンなどに参戦する同社のワークスチームに由来するものだが、モータースポーツ活動と市販車開発を密接に連携させるアウディの長い伝統があればこそ、こういった活動にも強い説得力が生まれるというもの。
実は、アウディは先ごろ本社が建つインゴルシュタットにほど近いノイブルクにアウディ・ドライビングエクスペリエンスセンターをオープン。全長3.4kmの特設サーキットを中心とするこの施設では、一般の顧客がアウディの市販車をドライブし、その運転技術を磨いたり、極限状態におけるアウディ車のパフォーマンスを体験できるのだが、驚くべきことに、この施設と隣接するかたちでアウディ・スポーツが本拠を構えているのである。つまり、一般ユーザーが訪れる施設のすぐ目の前に、アウディ・モータースポーツ活動の総本山であるアウディ・スポーツがその威容を誇っているのだ。