来季に向けた様々な動きをパドックで確認@アブダビGP現地情報
史上最多、全21戦のシーズンの終着地点、F1アブダビGPの現地情報をムッシュ柴田がお届け。パドックでは、早くも来季を見据えた様々な動きが見られました。
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アブダビの週末は、いろいろとうれしいことがありました。まずそのひとつが、土曜日のGP2レース1で久々に表彰台で見た日の丸です。 松下信治選手、5月のモナコで勝って以来、長い長いトンネルに入ってましたからね~。 苦楽を共にしたチーフメカニックのナルシゾが、真っ先に駆け寄って祝福してました。松下くんは翌日のレース2でも、7番グリッドからみごとなスタートを決め、ライバルたちをビシバシ抜いて4位入賞。来季に向けて、すごく力付けられる最終戦となりました。
僕たち日本人メディアが写真撮ってるところが、GP2公式サイトにさっそくツイートされておりました(笑)。
さらに日曜のF1決勝レース前には、GP3で福住仁嶺選手が3位表彰台でした。 ただし本人は、「タイヤの使い方が全然ダメだった」と、自身を辛口採点。まだまだ伸び代の大きい若者ですから、これまた来年が楽しみです。
そしてF1も来季以降に向けたいろんな動きが、最終戦のパドックで見られました。たとえばルノーには、 フラビオ・ブリアトーレが来て、ルノー首脳陣とずいぶん長いこと話し込んでました。ただの雑談じゃない雰囲気だった上に、気になるのはチーム代表のフレッド・バスールがその場にいなかったことです。復帰1年目の今季の不振は覚悟の上だったでしょうが、それにしてもちょっと結果が悪過ぎた。バスールの統率力にも、疑問符が付き始めたという噂もあります。もしかしてルノーは、ベネトン、ルノー時代に剛腕を振るったブリアトーレの再登板を望んでるとか?!
そのルノーをさっさと去って、ハース移籍を決めたケビン・マグヌッセン。 レース後にハースを覗きに行ったら、もうチーム代表とミーティングしてるじゃないですか。近くには、シートを失ったグティエレスくんもいるのに、そんなこと全然気にしてる風ではありませんでした。
でも小松チーフエンジニアは、グティエレスのことをきっちりケアしてたのはさすがです。いろいろあったとはいえ、1年間いっしょに戦った仲間でしたしね。
レース前に時計の針を戻して、スタート直前のガレージに行ってみましょう。引退するマッサの様子を見にウィリアムズに行ったら、全然そんな雰囲気はなくて、 メカニックたちは「最速ピットストップ賞」受賞の記念撮影をしてました(爆)
一方、もう一人の引退ドライバー、バトンはといえば、 リラックスして記念撮影に応じ、 お母さんのシモーヌから、「気をつけてね」と、ハグされてました。残念ながらレースはサスペンショントラブルで完走できませんでしたが、 レース後には家族や長年いっしょにやって来たスタッフたちと、クルサードやウェバーのインタビューに上機嫌で答えてました。F1でやるべきことは、もう全部やりきったという思いなんでしょうね。
新チャンピオン、ニコ・ロズベルグの様子は、熱田カメラマンのブログに譲るとして…… レース後のメルセデスには、けっこう重たい空気が流れてました。「タイトルを獲ろうと、あんなことをしたルイスの気持ちは十分理解できる。しかし組織の長としては、個人の暴走を許すことはできない」。トト・ウォルフは今までもずっとそうでしたけど、揺れる胸の内を変に隠したりしないところが、とても好感が持てます。とはいえこの問題、オフになっても尾を引きそうですね……。