こうして始まった週末は、金曜FP3こそマット・ペイン(ケビン・エストーレ組/ペンライト・レーシング/フォード・マスタング)が僚友デビッド・レイノルズ/ガース・タンダー組との1-2で気を吐いたものの、その他のセッションはほぼカマロ軍団が首位タイムを奪う展開に。
そのまま予選トップ10シュートアウトでも、今季トリプルエイト陣営のレッドブル・アンポル・レーシングと2強を形成してきたコカ・コーラ・バイ・エレバスのブロディ・コステッキ(デイビッド・ラッセル組/エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が、ターン1出口でコースをハミ出しながらも、終盤セクターに向け猛烈な勢いで“山の頂上”を越え、前戦勝者フィーニー組を約コンマ5秒も突き放す驚異的ポールタイムを刻んでみせた。
「ターン1ですべてを投げ出したと思ったよ」と安堵の表情で認めたコステッキ。「でもダッシュボードにはタイムデルタが表示されていて、挽回する時間が少しあると思った。ちょっとしたミスで大損するだろうと思っていたんだけどね」
「クルマは頂上まで素晴らしかった。そこからは“放り出すように”丘を駆け下り続けて(ダウンヒル最後の)“ザ・ディッパー”を通過できてとてもうれしかった。“コンロッド”(ストレート)を下りるときは良いラップを走っていると分かっていたから、そこから詰める必要はなかったね」
迎えた決勝は、シグナルオフからフロントロウ2番手発進を決めた最強の“チームマネージャー”でもあるウインカップがダッシュを決めリードを奪うと、27周目に最初のセーフティカー(SC)が発動。ここでポルシェ契約ドライバーのエストーレがターン1でコースオフし、姿を消してしまう。
さらに、このSCピリオド中に首位フィーニーを追い抜いたとして、レイノルズ組のマスタングにペナルティが課せられ、ペンライト・レーシングのもう1台も大きくポジションを失うことに。
その後もアクシデントにより2回のSCで仕切り直しが入るなか、背後のSVG/スタナウェイ組の97号車を引き連れ1-2体制を守り続けたフィーニー/ウインカップ組の88号車にも、終盤136周目に悲運が襲う。
この日のワイルドカード枠となっていたクレイグ・ラウンズ/ゼイン・ゴダード組(トリプルエイト・レースエンジニアリング/シボレー・カマロZL1)の888号車にも出ていたギアレバー・ライザー(ベースプレート)のひび割れ症状が首位快走の88号車にも発生し、失意のフィーニーは残り25周でマシンを降りることに。


