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 そのステージ2中盤には、一瞬ハイラインでルーズになった5号車カマロZL1がコントロールを失い、深いアングルのサイドウェイ状態で白煙を上げる場面があったものの、ダートレースやグラベル路面の経験も豊富なラーソンは危機を生き延び、劇的な修正で冷静さを取り戻す。

 タイトルチェイスの準備を整えるべく、8名のドライバーによる3戦勝ち抜きラウンドの緒戦という緊張感のなか、残り45周のリスタートでベルを従えたラーソンは、20号車カムリの執拗かつ効果的な仕掛けも抑え切り、合計1031周の年間最多リードラップ記録も樹立してのポストシーズン2勝目を飾った。

「ありがたいことに、クリストファー(・ベル)はいつも非常にクリーンなレースをする。チェッカーを受ける直前は誰だってクレイジーになる可能性はあるが、そこで敬意を持ってレースをしてくれた彼に感謝したい」と、まずは競合への賛辞を送ったラーソン。

「僕自身もターン1と2で危うく終わってしまいそうになった。サイドウェイ状態で壁にぶつかったが、そこから反撃しなければならなかった。これだけの結果を残せてうれしいし、数週間後にチャンピオンシップを争えるのは素晴らしいことだ。今後の2レースでストレスを感じなくて済むのは本当にうれしいよ」

 一方、ポール発進から61周をリードしたベルは、2位獲得ながら“チャンピオンシップ4”進出圏内から2ポイント後方のランク5位に甘んじる結果となった。

「他に何ができたのか分からないよ……」と複雑な心境を吐露したベル。「それこそ僕が“チャンピオンシップ4”進出を決める瞬間になったはずだが、完全に捉えることはできなかった。彼(ラーソン)がブロックすると読んでハイラインに行ったが、彼も同じ動きをしたんだ。ステージポイントを確実に獲得し、2位でフィニッシュできた素晴らしい1日だったと考えるよ」

 同じく3位に滑り込んだカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)や、38周をリードしたブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)ら非プレーオフドライバーを挟み、11位のクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)までプレーオフの権利を持つ8名がトップ10に絡んだが、そのうち6位に入ったライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)の12号車は、レース後の再車検で「左フロントダンパーが規定の長さ(22.55インチ)を満たしていなかった」として、一時失格の処分を言い渡される。

 しかし、月曜日に発表されたNASCARのリリースの中で、同シリーズは検査プロセス中に使用されたテンプレートに「問題を発見した」とし、ステージとレースのフィニッシュ順位を回復する措置を講じている。

 一方、併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第30戦『アルスコ・ユニフォームス302』は、地元ラスベガス出身の24歳ライリー・ハーベスト(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、後続に14.9秒差という圧倒的かつ今季最大ギャップを記録してのキャリア初勝利を飾っている。

最終的に、ラーソンが合計1031周の年間最多リードラップ記録も樹立してのポストシーズン2勝目を飾った
息子のオーウェン君とともに勝利を祝ったラーソン。インディカーの感覚もリカバーに活きたか
NASCAR Xfinity Series第30戦『Alsco Uniforms 302』は、24歳ライリー・ハーベスト(Stewart-Haas Racing/フォード・マスタング)がキャリア初勝利を飾っている

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