また、2017年で3シーズン目を迎える今季のTCRインターナショナル・シリーズに向けても、エントラントの体制が続々と決定、発表されている。
かつてはSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権にも参戦、TCRインターには初年度から元F1ドライバーのジャンニ・モルビデリとともに、ホンダ・シビック・タイプRで戦ってきたウェスト・コースト・レーシングは、今季からフォルクスワーゲンへのスイッチを発表。

モルビデリに加え、中東シリーズでデビューした16歳のジャコモ・アルトを加えた2台体制でエントリー。マシンは、フォルクスワーゲン・モータースポーツがアップデートを加えた17年モデルとなり、新たな空力パッケージが採用されている。
フォルクスワーゲンのモータースポーツ・ディレクターを務めるスベン・スミーツによれば、「フェンダーの形状変更やアウトレットの拡大でダウンフォース増加とドラッグ低減を両立させた。さらに、2年間のノウハウを活用してターボの過給特性を最適化し、シーケンシャルギヤボックスの制御も洗練させた」という。
また、アシストが強化された電動パワステの採用に加え、シーズン後半に向けては先日のBoPテストでも開発作業が行われた、ツインクラッチのDSG採用車もデリバリー可能としている。

そのほか、ロシアの石油企業であるルクオイルとの提携継続を発表した強豪クラフト-バンブー・レーシングは、引き続きセアト・レオンTCRで参戦。タイトル争いを展開したジェームス・ナッシュ、ぺぺ・オリオラのふたりに加え、元WTCCドライバーのヒューゴ・バレンテを新たに加えた3台体制でのエントリーとなった。

さらに今季開幕戦としてシリーズに初登場する開催国ジョージアからは、GE-Forceが新たに参戦。2台の17年型アルファロメオ・ジュリエッタTCRのステアリングを握るのは、こちらも中東にエントリーしたダビド・カヤイアと、WTCC参戦経験もあり15年にはETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権で王者を獲得。昨季のTCRではセアト・レオンをドライブしていたドゥサン・ボルコビッチとなる。
そして、もうひとつの新規参戦チームとしてハンガリーのM1RAが2台のシビックを投入。このチームは昨季までB3レーシングとしてセアトを走らせていたチームを前身とし、今季はロベルト・コルチアゴと17歳のアッティラ・タッシを起用。

地元ハンガリーのスタードライバーでもあり、WTCCホンダ・ワークスのエース格でもあるノルベルト・ミケリスが、チームのサポート役を務める。
