更新日: 2023.11.10 17:00
エース候補の18歳がポール・トゥ・ウイン、トヨタも2勝目。来季導入新型SUVも初テスト/TC2000第11戦
迎えた25分+1周のレース1でも、現TCRサウスアメリカ・シリーズのポイントリーダーを務めるモンテネグロの勢いは衰えず。プッシュ・トゥ・パスを正確かつ控えめに活用しながらレースペースを維持し、2位浮上のサンテロ、3位後退のアルドゥソを従えてトップチェッカー。ルノー、トヨタ、ホンダの表彰台を完成させると同時に今季3勝目、TC2000では4勝目を達成した。
続くレース2もこの3台のバトルが繰り広げられ、スタートで83号車のシビックが抜け出すも、ここから68号車のカローラが粘りを見せ、終盤の逆転に成功する。ファイナルラップでふたたびトヨタvsホンダの対決を挑んだアルドゥソだったが、わずかな失速でポジションを失い、最年長王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)とモンテネグロに先行を許すことに。
この結果、スタンディングではペーニャが341ポイントで首位を維持し、サンテロが241ポイント、ファクンド・マルケス(ルノー・フルーエンスGT)が220ポイント、そしてモンテネグロで218ポイントで4位に続く展開となった。
このレースウイークを終えたシリーズは、現地11月8日水曜に首都ブエノスアイレスに位置するアウトドローモ・デ・サンニコラスに次世代TC2000車両を運び込み、継続してきた開発プログラムの成果として、ユニークな“SUVツーリングカー”のシェイクダウンに漕ぎ着けた。
今季はオクタノス・コンペティションのフィアット・クロノスTC2000をドライブするマルセロ・チャロッキが代表してステアリングを握った“プロトタイプ001”こと『VW Nivus SUV』は、トラックインから数kmのインスタレーションも無事に走破。そこからタンゴ・モータースポーツの技術チームはシャシーと新エンジンに対する調整と評価に取り組み、合計45周を走破。このトラックでTC2000が記録したポールタイムにも近い1分29秒台を記録した。
「クルマの最初の感触はとても良い。より多くのパワーを感じるし、それが前輪を通じて余すことなく路面に伝わっている。コーナリングのボトムスピードもはるかに上がっていそうだけど、まだ取り組むべき点は多いね」と、テストを担当したチャロッキ。
「今、こうして僕らの目の前にあるクルマは、現在のTC2000とはあまり似ておらず、エンジニアにとっては挑戦になる。それだけに(ノントラブルで終えた)今日の成果は幸運さ。新型SUVは非常に順調なスタートを切り、今日も進化を遂げた。自分で記録したタイムも悪くなかったし、とても勇気付けられるね」
引き続き、リオ・クアルトでも11月17~18日の週末にテストを実施する計画の新型SUVだが、来季に向けて製造計画も加速しており、ファクトリー支援を受けるシボレー陣営YPFエライオン・オート・プロ・レーシングも、ロザリオのGMシボレー工場から小型SUV『Tracker(トラッカー)』のホワイトボディを2台引き取ったことを明かしている。