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 しかし迎えたレース1のオープニングラップは波乱の展開となり、アデレード市街地のターン4で4番手争いを展開したブラウンが、他車に弾き出され左90度コーナーのアウト側ウォールにクラッシュ。そこへ6番手からの追撃を期したSVGが激突し、ともに自走不可のダメージを負ってセーフティカー(SC)が導入される。

 この不運なアクシデントがすべてを決定づける重要な瞬間となり、最終的にケン・ブロックのトリビュートカラーで挑んだウォーターズが、前戦に続く連勝で今季3勝目。そして6位でフィニッシュラインに到達したコステッキが、自身と“GMシボレー”の初タイトルを掴む結果となった。

「まだ全然、実感なんて湧いて来ないよ!」と、レース直後には歓喜の渦に放り込まれた新王者。「こんなふうに他の候補者がレースから敗退したときにチャンピオンシップを勝ち獲りたくないものだけど、この一年は目まぐるしい年だったし、僕たちは今日の成果を達成するため一生懸命に努力してきた」と、初優勝を記録したシーズンに王座へと登り詰めたコステッキ。

「そして(代表の)ベティ・クリメンコは13年前にこの事業を始めた。僕自身にとっても、彼女に初のチャンピオンシップをもたらしたことは決して忘れられないことさ」

 そのエレバス・モータースポーツ創業者兼オーナーのクリメンコも、長年シリーズを牛耳ってきたトリプルエイトの強さを前に「こうしてタイトルを獲得してシーズンを終えることができたのは、信じられないような気分」だと主張した。

「バサーストの勝利か、シリーズタイトルを獲得したいか。そのどちらかと人々が尋ねるとき、私はつねに『バサースト』と答えてきました。それは獲得可能なものだからです」と続けたクリメンコ。「私たちはプライベーターなので、タイトル獲得は遠い夢でしたが、今ではそれを達成しました。これはファクトリーサポートを受ける必要がなく、自分たちで成し遂げるのが可能であることを、他のすべての人々に証明したようなものね」

レース1はキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)が、前戦に続く連勝で今季3勝目を飾った
レース1はキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)が、前戦に続く連勝で今季3勝目を飾った
安全マージンを優先し、6位でフィニッシュラインに到達したコステッキが、自身と“GMシボレー”の初タイトルを掴む結果となった
安全マージンを優先し、6位でフィニッシュラインに到達したコステッキが、自身と“GMシボレー”の初タイトルを掴む結果となった
「この1年は目まぐるしい年だったし、僕たちは今日の成果を達成するため一生懸命に努力してきた」と、初優勝を記録したシーズンに王座へと登り詰めたコステッキ
「この1年は目まぐるしい年だったし、僕たちは今日の成果を達成するため一生懸命に努力してきた」と、初優勝を記録したシーズンに王座へと登り詰めたコステッキ

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