投稿日: 2023.12.02 07:04
ADAC傘下での1年目を終えた新生DTMの現状と直面する課題。環境対応燃料導入には“壁”も
Midori Ikenouchi
ADAC(ドイツ自動車連盟)が2022年12月にゲルハルト・ベルガーが所有するITR GmbHからすべての権利を買収し、新体制の下で2023年シーズンを迎えたDTMドイツ・ツーリングカー選手権。
2023シーズンはドイツ国内6ラウンドに隣国のオランダ・ザンドフォールトとオーストリアのレッドブルリンクの2ラウンドが加わり、8ラウンド・16戦が開催され、マンタイEMAのポルシェ911 GT3 Rをドライブするトーマス・プライニングが王者に輝いた。
ADACがDTMを買収した際には『German Touring Car Motorracing Event GmbH』という DTM専用に新会社を立ち上げ、今季の開幕に向けてはITRからADACへ移行のさまざまな手続きや新規の人員の確保を経て、あらたにレースオーガナイザーとして始動。ベルガーからの買収手続きからオッシャースレーベンでの開幕まではわずか108日間しか残されておらず、非常にタイトなスケジュールの中で準備が進められた。このため、例年では4月の最終週から5月第1週目にかけての週末に開催される開幕戦が、今季は1カ月遅れの開催となった。
ドタバタで始まった1年目の新DTMを終えて、ADACスポーツプレジデントのDr.ゲルト・エンザーと、ADACモータースポーツのトーマス・フォスの両代表に、ADAC傘下初年度のDTMや今後について聞いた内容から、以下シリーズの現状をまとめたい。
■5〜6年をかけて「ドイツ最大のカテゴリー」に再構築