「あちこちで短いランをしただけで、このコロシアムでは絶対的な走行距離を稼ぐことは難しい。だからこそクルマの基礎的な強さが浮き彫りになる。これまでのところ、この真新しい“Sport Clips Toyota”にはかなり満足している」と、新型カムリを評価したハムリン。
煌々と輝く照明のもと、土曜の閑散としたスタンドの前で始まった決勝は、オープニングこそロガーノの22号車“ダークホース”に先行を許したものの、ハムリンの11号車カムリXSEは最初の50周中47周でリードを記録していく。
レース距離3分の1を終えた時点で、主役の座は2列目3番手発進だったハムリンの僚友タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が務める展開へと変わり、この日のレースハイとなる84周をリードする。しかし54号車の“モンスターエナジー・トヨタ”はレース最終盤、残りわずか10周のリスタートで首位を譲ると、ファイナルラップでラーソンと接触し無念のスピン。この瞬間、ギブスの悲願はターン4で潰えてしまう。
これで主導権を奪還したハムリンは、かつてのチームメイトで5番手スタートだったカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)や、最後尾23番手から奇跡のカムバックを披露した新チャンピオンのライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らを従え、オーバータイムのスプリントも制してロサンゼルス初勝利を手にした。
「今日のアクションの多くは、僕の目の前で54番(ギブス)と22番(ロガーノ)に起こった。そこでは何がどうなるかはまったく分からなかった。でも、ターン2からは本当にいい走りができてポジションを掴み、そこから粘り続けることができた」と喜びを語ったハムリン。
昨季11月下旬に右肩の関節鏡手術を受けていたハムリンだが「クルマに乗り込むとアドレナリンが分泌され、痛みはそれほど気にならなかった」と明かす。
「この(短距離トラックとなる)サーキットでどれだけホイールをクランキングしなければならないかを考えると、全体的には思ったよりも良い感じだ。レース自体も少し疲れるくらいの短さだったし(開幕戦の)デイトナに着いたらさらに元気で強くなるつもりさ」



