3台の追跡グループの先頭を走り、後続2台のプレッシャーにさらされ続けたタッシは、防戦およばず6周目に陥落。フィツカのセアト・レオンが2番手に浮上すると、そのまま首位のカヤイアとのギャップを詰めていく。
翌7周目にはコミニが、9周目にはコルチアゴのシビックがタッシをかわし、フィツカを追うと、4台はバンパーを当てながらの団子状態に。しかし、先頭のカヤイアも2番手フィツカとのマージンをコントロールし、10周目から続いたテール・トゥ・ノーズの攻防をしのぎきり15周目に歓喜のチェッカー。自身の初優勝をマークすると同時に、アルファロメオにもTCR初勝利をプレゼントした。

「中盤から本当にフロントタイヤがきつくなったけど、なんとか凌ぎきれてよかった。母国でこんなショーを見せられるなんて言葉もないよ……。素晴らしい仕事をしたチーム、ジョージアからのすべての支援に感謝したい」と喜びを語ったカヤイア。

翌日、4月2日の日曜に開催されたレース2は完全なドライ・コンディションの中、王者ルクオイル・クラフト-バンブー・レーシングのぺぺ・オリオラが、新チームメイトのヒューゴ・バレンテを引き連れてワン・ツー・フィニッシュを達成。これでセアト・レオン使いのオリオラが3年連続開幕戦勝利を記録し、今季も有力なタイトルコンテンダーであることを示した。

3位表彰台にはレース1でも活躍を演じた若手ハンガリー人のタッシが入ったが、レース後の審議で2位バレンテに黄旗追い越しが確認され30秒ペナルティが加算。これで2位タッシ、3位ベルネイと変わっている。

次戦ラウンド2は4月15~16日開催の中東バーレーン戦となり、F1グランプリとの併催イベントが予定されている。

