更新日: 2024.03.07 18:51
予選最速のホンダ・シビックが王者ルノーとの直接対決を制し優勝発進/TC2000開幕戦
「コンコルディアは非常に挑戦的で、このレース以降は再び『1』のナンバーを守らなければならない。チーム全員でタイトルを再確認したいと思っているし、 マティアス・ロッシの復帰はカテゴリーの競争力を高める意味で、僕にとっても確かなモチベーションになるよ」
そのロッシが自身の復帰を飾るFP1最速で幕を開けた週末は、続くFP2で今季よりTGRからルノー陣営に移籍したファクンド・アルドリゲッテ(ルノー・フルーエンスGT)がトップタイムを記録。さらにこちらも今季創設の中南米ルーキーカップ(賞金4000万ペソ/約700万円)を対象としたFP3では、シボレー陣営YPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのイグナシオ・メンデス(シボレーYPFクルーズ)がベストを奪うなど、各マニュファクチャラーが均衡した戦闘力を見せつける。
その流れを受けた予選で輝きを放ったのはYPFホンダRVレーシングのFC1型シビックセダンを操るラヴァーで、すべての公式プレゼンテーション出席を回避して臨んだ勝負で、王者ペーニャやロッシらを退け最速の地位を奪ってみせた。
明けた曇り空の日曜でも、そのラヴァーとペーニャが一騎打ちの様相を見せると、まずはレース1のシケインを含むテクニカルセクターで“プッシュ・トゥ・パス”を発動した王者がオーバーテイクを決め、通算34勝目を手にする。
ここで「TC2000に参戦するのは今季で18年目だが、間違いなくアルゼンチンのモータースポーツで最も切望されるシートのひとつに戻ってきた」と語っていた3位のダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)とともに表彰台に上がっていたラヴァーは、南米におけるTRCランキング最上位の男として意地を見せ、続くレース2で逆襲に転じる。
スタートで抜群の蹴り出しを見せた10号車ホンダ・シビックTC2000は、シケインでルノーを差し返すことに成功。2位ペーニャ、3位フィネンチと立場を入れ替えたトップ3でフィニッシュし、ホンダ陣営にとって12回目のコンコルディア出走でルノー、フォルクスワーゲン、フォード、シボレー、さらにプジョーに続くサーキット勝者の歴史に名を連ねた。
今季も全12戦を予定し、シーズン後半戦には各陣営よりSUVの新規投入も予定される2024年のTC2000シリーズ。続く第2戦は現状開催地未定ながら、4月12~14日の週末に争われる。