その土曜に開催されたカレンダー初のスプリントレースでは、予選12番手でリバースポールを得たラファエル鈴木(TMGレーシング/シボレー・クルーズ)がキャリア3勝目をマーク。その背後では、昨季までその鈴木が座っていたシートを得た元マッサの僚友フリオ・カンポス(ポール・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)を挟み、チアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)の続く表彰台に。
さらにシリーズ“2冠”のディフェンディングチャンピオン、ガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)やゾンタがトップ5に続き、その僚友ブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)も6位に入るなど、ともに新シーズンで好スタートを切った。
日曜午後の新たな決勝を前に、現地ではウィルソン・フィッティパルディとジル・ド・フェランという、惜しまれつつも逝去したふたりの英雄に哀悼の意を捧げるセレモニーも催され、バリチェロは現役時代の友人が愛用したデザインのヘルメットを装着し、50分+1周のグリッドに着いた。

そんな未知のレース時間も災いしたか、決勝中にはFP2最速だったディ・マウロの車両が炎上してセーフティカーが介入し、SCB“3冠”のリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)はピットストップ後に右後輪が外れて表彰台への挑戦権を失うなど多くの波乱が巻き起こる。
そんななか、ポールシッターのフェリペ・バプティスタは完璧なパフォーマンスでこの特別な日曜日を締め括り、そのまま義務ピットも消化して50分を走破。新たに移籍したクラウン・レーシングでトヨタ・カローラとのデビュー戦勝利を手にし、力強いシーズン幕開けを飾ってみせた。
「新しいホームでの素晴らしい週末になった。速いクルマを用意してくれたチーム全員に感謝したいと思う」と喜びを語った20歳。
「タイヤをうまく管理できたから、44回のプッシュはすべて今日のために取っておいたが、クルマにはまだ11回のプッシュが残っていたよ。スタートでもリスタートでもいいリズムを作ることができたし、僕らは最後まで先頭に立ってタイトルを争うつもりさ」
そのクラウン・レーシングと提携するTMGレーシングで初戦を終えたマッサは、現役チャンピオンを3位に従えたリザルトにより、昨季終盤より4戦連続の表彰台登壇となった。
「素晴らしい結果だ。とても良い週末で予選2番手となり、今日はメインレースで良いポジションから戦うことができた。現時点の僕らはチャンピオンシップで非常に良い成績を収めているが、2024年も勝つことができるかどうかは別の話だ。次のレースでも表彰台を目指して戦うよ」
そして20番手スタートから異例の挽回を見せたバリチェロは、通算8勝を挙げたゴイアニアとの相性の良さや“ヘルメット効果”も披露し、最終的に16ポジション上昇の4位に食い込み、レース後にはその功績と国家への愛が評価され『ゴイアス名誉市民』の称号を受け取るなど素晴らしい瞬間も経験した。
こうして幕を開けたSCBの2024年シーズン。続く第2戦は3月22~24日の週末に、サンパウロ内陸部モジ・グァスーのアウトドローモ・ヴェロチッタで開催される。


