同社は中炭素鋼の使用に加え、高張力鋼を使用して構造を軽量化し、燃料消費量を削減するソリューションを提示してもいる。プロモーター代表としてバイカーを率いるCEOのフェルナンド・ジュリアネッリも「新世代のストックカー車両のプロジェクトは、さらなる安全性と持続可能性をもたらすことを目指している」と付け加える。
「ストックカー2025プロジェクトに対するアルセロール・ミッタルの貢献は、少なくとも3つの側面で重要な進歩をもたらした。クルマの安全性と競争力が向上し、同時に二酸化炭素排出量も削減される。これはプロジェクトの目標を前進させるのに非常に役立つ技術的な組み合わせでもあるんだ」

そのうえで、車両のベースモデルを「SUVとする」ことをアナウンスしている同規約では、引き続きファンとの双方向性を重要視していることも特徴で、マシンにはクアルコム社製モバイルCPUのスナップドラゴンによる高速5G対応の通信機能が備えられる。
将来的には同社が提供するWi-Fi 6EとWi-Fi 7のテクノロジーも活用し、拡張現実(AR)メガネとマルチカムを併用することで、観客がドライバーの隣に仮想的に座っているかのようにレーシングカー内部から360度ビューが提供される、臨場感あふれるリアルタイム5G伝送も計画されている。
また、ときを同じくしてイタリアのSKFレーシング社も契約を更新し、ブラジルを代表するレーシングファミリーであるジャフォーネの一族企業にルーツを持つ、現行JL-G09Bが使われる2024年シーズン終了まで、4年連続のシリーズ公式ベアリングサプライヤーであり続けることも発表された。
同社のアフターマーケット部門ラテンアメリカ担当コマーシャルディレクターのミッシェル・ヴァンスは「競技車には摩擦を軽減し、耐久性を高めた特別なホイールベアリングが必要だ。さらにSKFはベアリングを供給するだけでなく、シーズンを通してチームに必要なサポートをすべて提供していく」としている。

