更新日: 2024.03.12 17:34
終盤の独走劇で新型トヨタ・カムリXSEが初勝利。陣営が312周中298周を制圧/NASCAR第4戦
195周目のファイナルステージ・リスタートに向け、ブレイク中の作業で右リヤタイヤの交換に手間取ったベルの20号車は、前戦で2度も喫した“フラットタイヤ”の影響も考慮し、ラグナットがしっかり締まっているかを確認するため余分な作業時間を費やし、ここで一旦は集団後方に下がる展開に。
しかし直後にカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)がスピンを喫してコーション、205周目にはジョン・ハンター・ネメチェク(レガシー・モーター・クラブ/トヨタ・カムリXSE)のプッシュを受けたロガーノが横を向き、ここにコリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やクラウスが衝突。さらに215周目のターン1〜2ではレディックとのバトル中にハムリンがコントロールを失って脱落するなど、立て続けにアクシデントが巻き起こる。
このイエローで各陣営の戦略が分かれ、ステイアウトしたマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らに対し、ベルはフレッシュタイヤに交換したうえで隊列に合流。最終的に前者の判断はホワイトフラッグまで保たず“アンダーグリーン”の作業を強いられると、残り41周で20号車のベルが満を持してのリードを引き継いでいく。
ここからクリーンエアで快走を披露したベルは、最終的に背後のブッシャーを5秒以上置き去りにしてチェッカー。トヨタ陣営のドライバーたちがカップレース合計312周中298周でリードラップを刻み、カムリXSEに“トラフィックでの勝負強さ”があることを存分に証明する初優勝を手にした。
「これは本当に気持ちいいよ」と開口一番で喜びを口にしたベル。「今日はすべてアダム(・スティーブンス/クルーチーフ)の功績だ。エンジニアやメカニック以下……誰もが知るように、こんなクルマは滅多に手に入らないものさ。この20号車に乗れたことをとても誇りに思っている」
「今日のカムリXSEは素晴らしかった。僕らにはこのようなレースを何度も実行できる能力があると感じている。これが今年の多くの勝利の最初のものになることを願っているよ」
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第4戦『コール811ドットコム・エブリィ・ディグ』は、オーバータイムの延長決着となるなか、無線で「狙えたら獲りにいく」と宣言したチャンドラー・スミス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)がキャリア通算2勝目をマーク。これでトヨタは同時開催のARCAメナーズ・シリーズを含め、週末3カテゴリー全制覇を達成している。