開幕以降の4戦とは異なり、スタート直後からブレイニー以下、2022年王者ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らを含む4台以上の新型フォード・マスタング“ダークホース”艦隊が隊列を率いたが、その後はジリジリとカムリXSEに主導権が移る展開に。
序盤首位に浮上したタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)こそ、背後からのプッシュで敢えなくスピンを喫したが、トヨタ陣営JGRの所属ドライバーは合計500周中383周を制覇し、タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が137周、トゥルーエクスJr.が54周、そして前戦勝者クリストファー・ベルが29周をリードしていく。
グラベルも含め同地通算8勝のマイスターであるカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)も右リヤのゴムを失い、ハムリンもトップレーンに押し込まれた際、マーブルの上でコントロールを失ってウォールにヒットするなど、序盤から混沌とした状況に陥るなか、アンダーコーション決着となったステージ1でギブスが初勝利を決めると、そのままステージ2も制覇してみせる。
ファイナルステージも300周目以降は、事実上のJGRによる優勝争いとなり、483周目のトラフィックで一時は首位を奪ったトゥルーエクスJr.の19号車カムリだったが、続くラップではバックマーカーの処理も絡めたハムリンの11号車カムリが逆襲に成功。カップシリーズのショートトラック記録となる54回のリードチェンジを経た波乱のレースで、ブリストル通算4勝目を手にした。
「今日のドライブは、ここミッドアトランティックで育ち、サウスボストンやマーティンズヴィルのショートトラックでやってきたことを総動員した」と語ったハムリン。
「タイヤマネジメントレースになると、僕らには本当のチャンスが巡ってくる。気に入ったよ。同じくベテランであるマーティン(・トゥルーエクスJr.)もそのやり方を知っていた。僕らには素晴らしいクルマ、素晴らしいチームがあり、ピットクルーはレースを通じて最高の仕事をしてくれた。彼らについてはいくら言っても足りないが……あぁ、ブリストルで勝てて本当に気持ちいい」
併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第4戦『ウェザー・ガード・トラック・レース』は、日曜のカップで不完全燃焼となるカイル・ブッシュ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)を抑え切り、クリスチャン・エッケス(マカナリー・ヒルゲマン・レーシング/シボレー・シルバラードRST)がポールポジション獲得の速さを今季初勝利に繋げている。


