そんなオープニングの後方では、パック内で大きくアウト側に膨らんでコース復帰してきたコリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の動きに影響されるかたちで、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)やダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)が接触。トヨタ陣営内でもくっきり明暗が分かれる展開となる。
それは2戦目の可夢偉にとっても同様で、予選25番手発進から粘りのドライブを見せたものの、昨年のインディアナポリス(IMS)でのデビュー戦と同様に“仇敵”にロックオンされた50号車は、ステージ2中盤のターン7~8でリッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)に後方から撃墜されスピン。IMSでのターン1に続き、2年連続で同じ相手にレースを台無しにされてしまう。
そのステージ2はハムリンが制覇したが、残り24周で最後のピットストップを終えたバイロンの24号車カマロZL1は、コース上でも直接対決を繰り広げたチャスティンらも上回る作業速度でレースリーダーに復帰。残り18周でルーティンが一巡し、最終的に68周中42周でリードラップを刻んだバイロンが、ベルに0.69秒先着するトップチェッカーとなった。
「最後の10周でたくさんのミスをした気がする。ほんの小さな小さなミスだったけどね」とポール・トゥ・ウインを決めた勝者バイロン。
「クリストファー(・ベル)はロングランで本当に速かったが、このスポーツは本当に難しい。毎週のように異なるトラックへ来て、速いクルマを用意するのはとても難しいことなんだ」
併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第5戦『XPEL 225』は、チームメイト対決を制したコーリー・ハイム(トライコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRD-Pro)が今季初優勝。同じく併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第5戦『フォーカスド・ヘルス250』は、日曜のカップ戦で21位に終わる“SVG”が大暴れを演じ、オースティン・ヒル(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)との熾烈な優勝争いを繰り広げる。
しかし、最後のオーバータイムラップで同じくカップ戦ではベルに“回された”カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が狙い澄ましたオーバーテイクを披露し、ワイドなラインで“場外乱闘”を繰り広げた首位攻防のドッグファイトを差し切っての大逆転勝利を手にしている。



