「生産はハイペースで進んでいる」と続けるのは、EPWR社のCEOであるミュッケ・ヤンソンだ。「シーズン開幕前にEVレーシングカーをチームに届けるという次の大きなステップを楽しみにしている。これはこの国のモータースポーツにおいて、気候変動に配慮した未来を創造するSTCCとの協力の重要な部分を占めているんだ」
続く3月29日には、スウェーデン南部に位置する国内第9位の都市、ヨンショーピングにあるエルミア・エキシビション・アンド・コンベンションセンターで開催されたカスタムカーショーにて、最後の車種となる『フォルクスワーゲンID.3』が公開された。
「我々は2024年のSTCCシーズンに先駆け、これで4車種の電動モデルすべてを発表することができた。フォルクスワーゲンID.3がテスラ・モデル3、クプラ・ボーン、そしてBMW i4に加わり、最新の電動モデルによって強力かつ適切なスターティングフィールドが形成される」と前出のベルンCEO。
「フォルクスワーゲンの各モデルは長年にわたってSTCCで成功を収め、合計3度のドライバーズタイトルと38の勝利を収めてきた。そしてこのID.3は世界でもっとも売れている電気自動車のひとつであり、今季シーズン中にスウェーデンのサーキットでその姿を見るのはとても楽しいだろうね」
新たに開幕ダブルヘッダーを予定するヨーテボリ市街中心部では、すでに“ヘッズ・トゥ・ヘッズ”トラックの新設レイアウトが公開されており、週末は最初のテストセッションを経て予選から準々決勝、準決勝、そしてファイナルたる決勝の順で土曜と日曜の2回のイベントが実施される。
さらにシーズン中はアトラスコプコ社の気候変動に対応した大規模エネルギー貯蔵システム“ZenergiZe”によって各車両が充電され、同システムは発電機の使用や二酸化炭素の排出、騒音をまったく発生させずに動作するグリーンエネルギーのシステム構成になるという。

