一方、昨年シングルシーターからツーリングカーに転向し、TCRヨーロッパのデビューイヤーで総合5位に喰い込んだアンダーソンは、最終戦バルセロナで記録した表彰台の獲得数を増やすべく、2年目のシーズンに臨む。
「昨年は僕にとって国際ツーリングカーレースへのデビューであり、それが個人的にもさらなる味わいを与えてくれた。今年は間違いなく高みを目指している」と続けた弱冠20歳のアンダーソン。
「スウェーデンに帰って新車のシェイクダウンテストを完了したが、フィーリングは素晴らしかったよ」
父マティアスが率いるチームは、中国のジーリー・グループ(吉利汽車)のモータースポーツ部門から購入した初代リンク&コー03 TCRを、このオフ期間にもTCR UKに参戦するプロ・アロイズ・レーシングに売却しており、今季のTCRヨーロッパには新たな個体を投入。その一環として、アンダーソンは開幕戦ブランズハッチ以降の3戦でかつての愛機をドライブし、TCR UKシリーズへのデビューも果たす予定だ。
「2023年は僕だけでなくチームにとっても学びの年だった。シーズンの終わりに向けかなり大きな前進を遂げたから、2024年に向けて学んだことを実践し、本格的に始動するのが待ち切れないよ。僕の野望はヨーロッパで総合トップ3に入ることだね」
そのTCRヨーロッパは4月20~21日にイタリアのバレルンガで幕を開けるが、同ラウンドはFIA TCRワールドツアーの開幕戦にも指定されている。このためTCRヨーロッパ勢のみならず、地元TCRイタリアからもゲスト参戦が見込まれており、18歳のヤコポ・シメネスはMMモータースポーツが用意したFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブして1戦限りの世界戦デビューを計画。その後は同車でTCRイタリアのフルシーズンを追うことをアナウンスしている。


