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投稿日: 2024.05.17 17:15
更新日: 2024.05.17 17:18

「勢いを保てればチャンピオンになれる」選手権首位キャシディが語る4年目のFE。ダ・コスタはWEC復帰を望む


海外レース他 | 「勢いを保てればチャンピオンになれる」選手権首位キャシディが語る4年目のFE。ダ・コスタはWEC復帰を望む

 タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームで2年目を迎えたダ・コスタ。シーズン序盤はポイントを獲得することができなかったが、東京E-Prixの4位をきっかけに成績を上げ、第10戦ではポルシェの母国ドイツで優勝を飾った。

 しかし、ラウンドテーブルに登場したダ・コスタは「まだクルマのバランスに満足できていない」と苦戦していることを明かす。

「予選でトップ10に入るため、いくつかのステップを踏んできたけど、最速のクルマであるにはまだ少し足りていない。快適なクルマとは感じていないし、バランスも自分が本当に好むものではないんだ」

「逆にこのマシンを本当にうまく運転しているパスカル(ウェーレイン)には賞賛を送りたいね。今は理想的ではないけれど、チームはサポートしてくれているから、今後もその部分に焦点を当てて解決していきたい」

 また、ダ・コスタといえば第6戦ミサノE-Prixでトップチェッカーを受けながら、レース後の車検で『マシンのスロットル・ダンパー・スプリングが規定とは異なる』という理由で失格となり、一時はチームが不服申し立てを行う騒動に発展した。

 ダ・コスタは「正直レースが終わった後に失格と聞いて、いい気分ではなかった。失格が発表されたとき、他チームの代表やエンジニア、ドライバーから、不公平だというメッセージをもらった」と当時を振り返り、自身の考えを述べる。

「FIAの裁判所に行って、すべてを訴えたけど、部屋に入って最初の30分で却下されてしまった。仕方ないと思うけど、この件は今年のフォーミュラEシーズンにおいて少し汚点となっているね」

「この件はチームのミスなので、ペナルティは何らかのかたちで科されるべきだけど、FIAが『パフォーマンスの利点はなかった』と明言した場合は、レースの結果を変更すべきではないと思う。そのほうが観戦しているファンにとっても、理にかなっている」

「たとえ今すぐにこの勝利やポイントが戻らないと言われても、将来的にこれが(レース結果が変更されないペナルティ)標準になるのであれば、僕はそれに賛成し、同意したいね。なぜなら、僕は“スポーツ”のために最善を尽くしたいからだ」

アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)
2024フォーミュラEベルリンE-Prix アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)

 ここまで10戦を終えたフォーミュラEシーズン10。ポルシェチームはウェーレインが124ポイントでキャシディに次ぐランキング2位に対し、ダ・コスタは59ポイントのランキング8位と差をつけられている。

「クルマをより速くする方法を理解するための努力は止まらないし、今はその挑戦を楽しんでいるよ」と語るダ・コスタ。一方で「個人的にはWEC(世界耐久選手権)へ復帰したいと思っている」と、将来的な他カテゴリー参戦の意欲も覗かせる。

「レッドブルのジュニアドライバー時代に、ボスである(ヘルムート)マルコに『君の肩書きは何だい?』と聞かれて『レーシングドライバー』と答えたんだ。するとマルコに『そのとおり。ドライバーなら毎週レースをしなくてはならない』と言われたことがある」

「僕は2014年からダブル、もしくはトリプルプログラムをしていて、フォーミュラE、DTM(ドイツツーリングカー選手権)、F1リザーブドライバーとしてレースをしていた」

「しんどさを感じるときもあるけれど、ふたつの世界トップレースを走っているレーサーは少なく、最高のドライバーやチーム、エンジニアがいる環境には、とても恵まれていると感じている。またレース活動は、家族やスポンサーなどのサポートがあって実現できているから、他のカテゴリーも走りたいと思っているよ」

アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)
2024フォーミュラEベルリンE-Prix 第10戦を制したアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)


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