海外レース他 ニュース

投稿日: 2024.05.18 14:06

佐藤琢磨、15回目のインディ500は雨に翻弄。「40%くらいしか走れていない」なか予選上位目指す


海外レース他 | 佐藤琢磨、15回目のインディ500は雨に翻弄。「40%くらいしか走れていない」なか予選上位目指す

 プラクティス三日目の早いうちに予選セッティング重視のプログラムを切り上げ、後半には決勝のセッティングでコースに戻る予定だったが、この日はリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)とマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)がウォールにヒットしたことで、コースは長い時間イエローで封鎖された。

 ようやく琢磨が決勝の仕様でコースに戻ろうとすると、今度は雨がパラパラ。コースはまたもやイエローで閉じられてしまった。琢磨はなんと、決勝のセッティングをほとんど試すことなくファストフライデイを迎えてしまったのだった。

 ファストフライデイはブーストも上がり、翌日の予選に向けてのシミュレーションとなる。そのため、ここで決勝のセッティングを試す時間はない。

 その金曜日さえ雨の予報もあったが、セッションは予定通り12時から始まった。だが琢磨の75号車は準備が遅れ、なかなかピットに姿を現さない。2時間近くかかってようやくコースに出る体制になったが、コースインした琢磨はすぐにペースを落としてピットへと戻ってきた。

 気にかかる点に修正を加えて再度コースに出たものの、琢磨は「何かおかしい」と訴えてマシンを降りた。ガレージに戻って確認すると、エアロパーツに問題があったようで、琢磨がマシンの不具合を訴えるのは当然のことだった。

 ようやく琢磨が本格的に走れるようになったのはプラクティスのセッションが残り3時間を切った頃だったろうか。琢磨は渾身のラップでベストタイム233.679マイルを叩き出してトップ10に食い込んで見せた。

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
タイムアタック中の琢磨

 予選のセッティングに専念はしていたが、ここまでタイムを出すのに時間がかかるというのは想定外だった。それでもチーム内のベストはもちろん、トップ10にも食い込み、ホンダ勢で3番手になったのは、インディ500マイスターの真骨頂だったと言えるだろう。そして総体的にシボレー勢の健闘が目立つ。

「今年のシボレー勢は速いですね。今日は予選のシミュレーションを何本もやるつもりだったんですが、いきなりマシンがおかしかったし、シミュレーションの最後の4周まできっちり走れていないんです」

「今のセッティングだと最後の4周目にタイヤが終わってしまうし、ダウンフォースを付けないといけないけど、付けたら全体のスピードも落ちるので、そこはデータを見ながらエンジニアのエディ(・ジョーンズ)と考えます。あとはドロー(抽選)でなんとか前の順番を引ければいいんだけど…。」

 その心配とは裏腹に、ドローで琢磨の予選アテンプト順は26番手となった。早い順番の方が良いとされているアテンプト順として、決して良い順番とは言えない。

 天候も運も、すべてインディ500の神様の手の内にある。条件はどのチーム、ドライバーにも平等だ。スポット参戦の琢磨はここまでやや苦戦気味だが、果たして予選でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。逆境で見せるインディ500ウイナーの意地を期待したい。

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
最後はタイムを出して一安心の琢磨


関連のニュース