これに怒りを覚えたか。ブッシュの8号車は続くラップで47号車のリヤをプッシュし、制御不能に陥ったステンハウスJr.はそのままクラッシュ。ほぼ直角に壁の餌食となったJTGドアティのカマロZL1は、右フロントを破損した状態で8号車RCRのピット位置に停車。そのままボックスをよじ登ったステンハウスJr.はブッシュのクルーチーフであるランドル・バーネットに不快感を表明し、ドライバーにメッセージを伝えるよう要求した。
「あぁ、まずカイルも同じようなことをするだろうと思ったから、そこ(ブッシュのボックス)にクルマを停めた。そこでランドルに『後で会おうとカイルに伝えてもいい』とだけ言ったんだ」とステンハウスJr.
「我々は非常に良いスタートを切れたし、彼はドアを全開にしておいた。お互いにほとんどタッチしていないのに、ヤツはこちらのレースを終わらせた。ここにはインフィールドから場外へ出るトンネルはない。ヤツから聞きたいことはないし、話はオレが仕切る。(周りは)ただ見ていればいい」
フィニッシュ後、周囲をメディアが取り囲むなかブッシュを待ち構えたステンハウスJr.は「戻ってもう一度リプレイを見ろ。オレは一切接触していない。お前がフェンスにぶつかり、その後にオレにぶつけたんだ」と捲し立てると、ブッシュは「オレたちはお互いに皆ヒットしながら勝負している。もしそれが起こったのなら、それでいい」と応じた。直後、ステンハウスJr.はブッシュに殴り掛かり、そのまま揉み合って倒れNASCARの警備員が双方を制止する状況となる。
「なぜ彼が怒って、スリーワイド後に突き飛ばしたのか。彼がいつもこちらのことについて悪口を言うときには、間違いなくフラストレーションが溜まっている。以前ほど良い走りができなくなって彼がイライラしていることは知っているし、こちらもそれを理解している」と騒動後に語ったステンハウスJr.
「金曜プラクティスでは我々のクルマは本当に強かった。この夜に先頭を走るのを楽しみにしていたんだ。ここで立ち往生してもフラストレーションは解消されない。もしトンネルがあったなら、オレはおそらくその終わりを家で見ていただろう」
そのコーションの最中、周囲のドライバーが今回設定された2種類のコンパウンドを変更し、より耐久性の高いプライムタイヤを装着するなか、首位ロガーノ以下、タイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)やクリス・ブッシャー、ブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)などの上位勢はソフトなオプションタイヤでステイする。


