琢磨陣営は最後のピットインを少し早めに行い、アンダーカットに賭けた。170周目にピットに入り、一時13番手となるのだが、早くピットに入ったがためにタイヤのグリップが失われてくると、194周目にRLLのチームメイトであるクリスチャン・ルンガーにかわされ14番手となった。順位はそのまま変わることなく琢磨の今年のインディ500チャレンジは、ここで終わった。
レース後、琢磨はプラクティス、予選、カーブデイに決勝と2週間にわたった一大イベントを次のように振り返った。
「朝の雷雨のおかげで4時間も遅れるスタートでした。プラクティスで予選に向けて作ってきたクルマなので、トラフィックの中で走ってこられなかったのが辛いところでした。クルマとしては合わせ込むことができたと思っていたのですが、雨で走れなかった時間を取り返すことはできませんでしたね」
「レースはそれほど悪くなかったですが、リスタートの隊列を乱したということで、ペナルティを課せられました。ほぼ最後尾から追い上げてきたのですが、最後のスティントでは気温が下がってしまい、クルマ的にはかなりドラッグを多く感じました」
「最終的には14位という順位ですが、このチームに来て予選のスピードを上げるという使命は果たせたと思いますし、4台目として戦ってくれたこのチームを誇りに思いますし、本当に感謝しています」という琢磨。
予選で琢磨の評価は大きく上がっていたが、それを上回る走りをレースで見せられなかったことは残念だったに違いない。それでも、スポット参戦の難しさはあれど、琢磨のスピードが健在だったことはアメリカの誰もが認めたことだろう。

